これほど心にしみてくるメロディーラインはないし、
これほど聴き飽きないアルバムはない。

これ1枚が一曲のような、どんな気分の時でも
どの曲もとばせない。流れがある。

30年、ずっと聴き続けている。
曲を聴けば心の中で、
ある時は自分が中学生だったり、
ある時は若き日の自分が一人夜の国道を運転していたり、
ある時は亡くなったり、ちりぢりとなった家族が暖かい部屋で談笑していたり・・・
私の人生の中にこのアルバムは常にあり、その時々に思いが引き戻される。

リアルタイムでLP買い、何十年前にCD買い、聴きすぎて割れた（゜ε゜;）
変な話自分のその時、棺桶に入れて欲しい1枚かも・・・

このアルバムに収められている曲をテレビやラジオを通してリアルタイムで聴いた世代です。
そのころは、単に「ひえ〜っ、こんなカッコイイ英語の歌を日本人が歌ってるんだ〜？」みたいな
驚きにばかり浸っているトンマな少年でしたが、レコードを買って何度も飽きることなく聞き返すうちに、
そのすごさがだんだんとわかってきました。
CMソングに課せられた使命としての、瞬時に視聴者の耳をひきつけるという「キャッチー」さは誰もが認めるところだと思いますが、
彼らのすごさは、それにとどまらない、反復の鑑賞に堪える楽曲の、そしてパフォーマンスのクオリティの高さにありました。
特にバンドの顔であったタケカワユキヒデの作曲センスと”この頃の”歌唱力は21世紀の今聞いても古さを全く感じさせません。
まさにスーパーなバンドでした。
　ただゴダイゴにとって（というか熱狂的ファンだった私にとって）不幸だったのは、モンキーマジック以降、
お茶の間バンド志向に走って（走らされて？）しまったことであり、それからの彼らは自分たちの存在意義を
忘れてしまったような気がしてなりません。
　
　それにつけても、このCMソンググラフィティはゴダイゴの最高傑作だと思います。（続編は・・・カスです、残念ながら）

　言わずと知れた、ゴダイゴの手がけたＣＭソング集。

　もちろん全曲英語・・といいたいところですが、最後の最後で日本語が出てくるのは、ご愛嬌です。

　タケことタケカワさんの声も艶があって聴きやすいし、演奏も乗りに乗っている！！という感じで、ドライブのＢＧＭにいかがでしょうか。

軽快な「ミラージュ」のテーマに始まり、やっぱり「僕のサラダ・ガール」は、はずせないですね。個人的には、日立製作所の宣伝で使っていた「what　did　you　do　for　tomorrow」がお気に入りなんです。もう少しロングバージョンを作ってほしかったですが・・・。そのほか「スプリンター・リフトバック」とか「リリック」とか70年代の懐かしのCMが曲と共に蘇ります。アルバムとしても十分楽しめますよ。

バンドとしてメロディーメーカーとしての
ゴダイゴの評価を決定付けたともいえるアルバム。
ＣＭソングもバンドとしてのひとつの作品との位置づけでとらえ
作り込んできた彼らならではの作品集。
繰り返し聴いても飽きることのない普遍性を持ち
クリエイティブなサウンドは時代を超えて今なお新鮮。
当時のＣＭが頭に浮かんできたりして楽しめる一枚。