NAXOSが出している、「日本作曲家選輯」の中の1枚。いつもの通り、このシリーズを監修している片山杜秀氏の、詳細な解説がついています。指揮は日本人の湯浅卓雄、オーケストラはニュージーランド交響楽団。初めて聞きましたが、結構いいコンビだと思います。ラプソディ(1971年作曲)、エローラ交響曲(1958年)、交響三章(1948年)の3曲が入っていて、芥川の作風の変化が分かるようになっています。
聞き物はなんといってもエローラ交響曲。交響曲といっても、複数の楽章に分かれているわけではありませんが、ストラヴィンスキー、バルトーク、ヴァレーズ等々、20世紀の様々な音楽が芥川の中で昇華され、見事なリズムの饗宴になっています。トラックも16に分かれていて(でも全曲で17分ほど)、何かと便利です。
これをきっかけに、作曲家芥川也寸志の名が、世界に知られるようになればいいと思います。