私にもシステムトレードできました
★★★★★
ファンダメンタルズをたたきこめ、経済新聞には目を通せ、要人発言に気を配れ、指標は頭に入れておけ、・・・ムリなこと並べた本はいくらでもありますが、結局のところそれで予想できるの?といえば答えはNO。専業でもないかぎり無理なことを並べ立てて「やっぱりオレには無理だ」と思わせるのが関の山です。この本はそういうムダな努力に別れをつげ、もっとシンプルに力の絞りどころを教えてくれるものです。
前作を読んで地味にバックテストをしてみたところ、本にあったとおりのパラメータではよい成績は出ませんでしたが(年度が違うので当然です)、パラメータを変えることでたしかにプラスが出るものがありました。今まで読んできた指南本たちは、なんてものごとを小難しくしてきたんでしょうか。自分なりのバックテストの結果で少しずつプラスを重ねられるようになった今では、投資家と呼ばれるひとたちは概ね、こういう方法をとっているとしか私には思えません。エスパーじゃあるまいし、カンとか第六感でずっとプラス出すとかってふつう無理でしょ?
要は、みんな本とかで正直に教えてくれてはいないんですね。でも池田悟さんだけはこの本で、どうやってプラスを出すのか正直に教えてくれています。リーマンショックで手ひどくやられた私にやっと希望を持たせてくれた池田悟さんにはほんとに感謝しかありません。
前作と本作の間には、著者が経験を重ねたことによってやり方にも多少の変化が出ており、(勝率や最大ドローダウンの考えかたなど)・・・前作を読んで実践に移そうとしている方は本作も読んだほうがいいです。逆に、本作だけでは実践的なベースが足りないのでやはり二作続けて読んだほうがいい。っていうか、本作は明らかに前作を補完しているのになんで「続」とかにしなかったのかなとちょっと不思議です。
「この部分はまだ研究中です」などの記載があることを「未完成だ」「信頼できない」と言うひともいるかもしれませんが、そこから先は自分で探ればいいだけのこと。この本(と前作)に書かれていることだけでもプラスは出せるようになると思います。大きなヒントが書かれています。こんなありふれたテクニカルでプラスが本当に出せるんだ!と驚くと思いますよ。
ちなみに、エクセルの力量の差は、バックテストをするときに大きな差となると思います。前作を読んでエクセルへの反映の仕方がわからなかったひとは、やはり「関数」の使い方ぐらいまでは自力で勉強したほうがいい。エクセルを知っていて、ある程度自分の理解力に自信のあるひとは、いずれはVBAマクロまで勉強したほうがいいと思います。
ちなみに私はプログラム言語をかじったことがあったので、VBAでプログラムを組んでバックテストをしています。手作業だと3ヶ月かかることが1週間でできるし、過去データが増えても、同じマクロで再テストできます。マクロの知識は各国経済や要人発言とちがって日々刻々と変わるわけじゃないですから、結局はお得です。
FXの実践書としての役割
★★★☆☆
FXに関して、どの通貨は、テクニカル分析のどれが合致しているかをデータに基ずいて指摘されており、各人が試行錯誤しなくても、すぐに使用できるものです。テクニカル分析の中では、MACD、パラボリック、RSI、DMIを駆使すれば、十分効果を発揮すると言われますが、その通りであると思います。
相場をやる人にとって、買って損にはならないと思います。
初心者にはちょっと..
★★☆☆☆
FX初心者には難しい。
高価なシステムでなくてもエクセルでシステムトレードが出来るのは分かったが、
実践するとなるとエクセルの知識も必要ですし、FXの各指標についても知識も必要。
これを読んだだけではシステムトレードは実践できないでしょう。
ある程度の知識がある方にはいいかもしれません。
スペックオタクではない、実践派トレーダーが書いた骨太の実用書
★★★★★
システムトレードを志す人にありがちなのが、勝率、損益率、シャープレシオ、マックスDDといった数値がいくら…と突き詰めたがるタイプだ。しかし、いくらそうやってトレードモデルをつくり込んでも、実際に運用を始めてみると、そのとおりにはいかず、取引を続けることがストレスとなり、結果として「利益を残す」ことがむずかしいとわかる。一方、池田氏が書いていることは、少々荒っぽくも感じる。曰く、種々の通貨ペア、日経先物や商品を対象に、それなりに期待値がプラスになるトレードモデルをいくつか分散して運用すれば、勝ったり負けたりしながら、気がついたらトータルでは利益が残る、といった具合だ。もちろん本書には、もっと親切に具体的で細かな解説もなされているのだが、全体の主旨としては「そんなに細かく考えなくても、基本さえ押さえて、とにかくやってみれば儲かるよ」と言いたいのではないかと思う。この本には間違いなく、本当にシステムトレードで稼いでいる個人投資家の本音が書かれている。きれいな右肩上がりの損益曲線を求めて一喜一憂している人は、内容の端々から得られるものがたくさんあるだろう。