ジャキの奔放で多彩なピアノがたっぷり楽しめるのはもちろん、ファレルのソロもひらめきに満ちて素晴らしい。二人とも熱気は十分あるが、コントロールが効いているため、決してはちゃめちゃにはなっていない。ドウソンの熱い演奏も聴きものだ。スタジオ録音では分かりにくいテクニシャンぶりがよく出ているし、センスのよさも光る。普段は保守的なイメージのあるタッカーのベースも、ここでは見事にはまっていて違和感なし。ソロもクリアにとらえられており、なかなか聴き応えがある。
このアルバムによって、1965年4月15日、「ロニーズ」に居合わせた人たちが聴いたすべての演奏が手に入ったわけだ。ありがとうファンタジー。