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少年期の心―精神療法を通してみた影 (中公新書 (515))

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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さすが古典的名著 ★★★★★
知人に「遊戯療法の古典的名著」と紹介されて購入した。見ると1978年に初版が出て2007年の時点で23版が出版されている。長い間、読み継がれている事を感じさせられた。著者の山中康裕氏は精神科医ならびに臨床心理士。本書には子ども達が治療者との関係を基盤に、箱庭や写真、手紙などのさまざまな表現を通して治癒していく過程が比較的、分かりやすい言葉で記されていて、とても面白く読めた。その言葉の背景には子どもに対する深い洞察と理解が感じられ、現代でも得るものが非常に多い。専門家のみならず、子どもに関心のある方にはお勧め。
少年期の神経症をとおして我々の影を問う ★★★★★
少年期の神経症の症例、七例を通して少年期の心に迫る本です。。その際に特徴的なのは、少年たちの“内的なイメージ”を主な媒体として関わるということです。具体的には箱庭や絵画、写真、文通などを通してです。

著者のバックボーンに児童精神医学と分析心理学があるようです。河合隼雄氏がこの本は名著であると何かの紹介文に書いていました。また、児童の精神療法というのは、難しい印象があったので、どういう展開をするのか新書で気軽に読めるのではという期待もありました。

取り寄せて読んでみると、期待に背かず読みやすい文章です。難しい内容も著者なりに噛み砕いて読者に提供されています。途中で挫折することなく読み通すことの出来る本です。児童精神医学に関心のある人にはぜひ読んでもらいたいです。読書の幅が広がること請け負いです。
子供は個人だ ★★★★☆
 神経症的症状を呈する少年少女たちを、主に箱庭療法を通じて治療した臨床例の記録。治療を通じて、少しずつ変化していく少年少女の経過も興味深いものではあるが、私としては子供にとってどういうことが問題になりうるかが、親としての立場から気になる。
 家庭や親が、無理をしている部分で、子供にしわ寄せが行って子供が神経症的症状を呈する。それで、治療のためには家庭や親が押さえ込んでいた問題と向き合わざるを得ない。子供の側でもそれなりの合理化が進む。
 ”正常な”家庭が、あらゆることに円満であるとはとうてい言えないわけで、その意味では親としてはできるだけ偏った生活をしないようにしようという程度の教訓しか得られない。ともあれ、子供は親の従属物ではない、そうあってはいけないということは受けとめられる。
こどもの時の心って、おぼえていますか? ★★★★★
わんぱく坊主がそのまんま大人になって、
精神科医になったような山中先生。

誰しも小さい頃は、憎たらしいくらいのびやかに、こわれそうなくらい繊細に、
いろんなこと感じて生きていたはず。

その多感な少年期の子どもたちの心を、一般の大人たちにもわかり易く、
そして、その向かい合ってきた子どもたちに対して誠実に書き綴った、
すてきな本です。

専門用語も混じったりしますが、子どもたちの感性と、分別ある大人の視点が、
とても心に響きます。

子育て中なら参考になるはず ★★★★☆
問題児と言われた6歳から15歳くらいまでの少年少女達のいくつかの症例を治療から回復まで記載したドキュメントです。丁度6歳の子供がいる僕には、参考になることが多かったです。甘やかすのではないが、子供のために待ってあげるゆとりを大人が持つべきだとありました。忙しい、時間がないを理由に効率だけを求めた子育てをすると、将来その何倍ものしっぺ返しが来ると著者は言っています。