ハービーはこの頃からハービーだった
★★★★★
ハービー・山口が1970年前後に撮った写真集です。
じっくり拝見、驚きました。
20歳のとき、もうこんな素晴らしい写真を撮っていたとは!
ハービー・マジックの原型がはっきり見てとれます。
70年代の雰囲気満載で見飽きません。
私が特に好きなカットをご紹介します。
■まずは冒頭の小夜子さんのスナップに圧倒されます。
ハービーが自身の写真テーマを発見した、その瞬間の写真が
存在するとは!
■続く「憧憬」ではお得意の女性スナップ・ポートレート集に
自然と頬が緩みます。20ページの女学生の自然な表情と
街並みが美しいな。
■「祭りの夜」では51ページ、出し物を見つめる子供たちの
表情がいいですね。
■「キャンパスで」は、池上駅でのスナップ、人物の並びが
おもしろいなぁ。これどこから撮ったのだろう?
■「熱」は81ページのブレの表現がまさに当時の熱気を
表現していますね。
■「旅の記憶」シリーズは、106、107ページの沖縄での
カット。アングルが斬新でハッとさせられます。
■最後の「明日」は、、、これはもう現在のハービーが撮った
写真と言っても誰も疑わないのではないでしょうか。
表情・構図・光と影の三拍子がそろった秀作揃い。
うーん、全部好きですが、やはり138、139ページの
ブランコの姉弟です。こういう写真は撮れそうで撮れないと
思います。
ハービーはこの頃から人とコミュニケーションをとる術に
たけていたのだなと改めて感じ入りました。
秋の夜長、70年代ポップスをBGMにこの写真集を眺めます。