ジャケットからやり過ぎた感がいっぱいですが中身も期待を 裏切りません。パノラマ島に浮かぶ月を舞台に歌い上げる世界観は悪夢を見てうなされてる様。高速スラッシュ系からバラードまで曲の幅も広く捨て曲無し。筋少ワールドを凝縮した名盤です。

「日本印度化計画」や「元祖高木ブー伝説」などを
当時大笑いしながら聴いてた私は、中古で買った「サボテンとバントライン」を聴いて、
「ああぁ・・切ない歌だなぁ・・・こういう歌も書くんだぁ・・。」と思ってたところ
「サボテンと・・・」収録のアルバムが発売されるというので、早速レンタルして聴いてみた。
ブッ飛んだ！
ブッ飛びまくった！
なにせ、いきなり「風車男ルリヲ」である！

風車を早く止めなさい！
風車男を殺しに行きなさい！
ルリヲを殺しに行きなさい！
ねぇ君、
だけどルリヲは見つからないよ
聞いたんだよ
風車男には・・・・

ひええええぇぇぇぇｌ〜！！
こわい！こわい！
・・・と余韻に浸る間も無く怒涛のドラムイントロから「少年、グリグリメガネを拾う」！
しっとりと不気味で美しいスローバラード「デコイとクレーター」！
シングルより若干アレンジが大仰になった「サボテンとバントライン」！
軽快なギターリフで始まったと思ったら突然激ウマな女性ボーカル・・・？！
筋肉少女帯初（？）のデュエットソング「夜歩くプラネタリウム人間」！
久々にアンテナ売りが登場の代表曲「僕の宗教へようこそ」！

サイケだ！
詞世界がものすごくサイケデリックだ！
まるでクスリでブッ飛んだ人が見てるような風景描写の連続！

「悲しきダメ人間」でちょいブレイク、対少女幻想の極み「少女の王国」の後は、
みんな大好き（笑）「イワンのばか！」だぁ！
「詩人オウムの世界」に続く、橘高高速メタルの演奏をバックに、
本当は怖い世界の童話・・・のような趣で、ダメ人間イワンと子供達の悲劇を描き出します。

どれも詞、曲ともに濃過ぎてお腹いっぱいのところでアルバム最後のシメのインスト曲、
「少女王国の崩壊」。

「ああぁぁ・・・「少女の王国」で登場した少女たちは結局救われないのか・・・
そういえば、このアルバムの歌に登場する人たちって・・誰も救われなかったなぁ・・」
と、「少女王国の崩壊」を聴きながらアルバム全体が走馬灯のように甦る。

すごい！
すんごいアルバムだ！
これ以降、このアルバムを越えるアルバムは作られていない！
90年代筋肉少女帯史上、未だに最高傑作だ！
『月光蟲』の延長線上の世界観を持つ傑作アルバム『断罪！断罪！また断罪！』や
『月光蟲』の幻想世界より現実味を加味して描いた傑作コンセプトアルバム『レティクル座妄想』など
優れたアルバムは確かにあるにはあるが、
『断罪〜』は短過ぎるし、『レティクル〜』は捨て曲が数曲あるし・・・
やはりトータルで考えると『月光蟲』に軍配が上がるだろう！

最高傑作！
買う他に術なし！

アルバム、パノラマ島、月光蟲で、かどがとれて音楽の完成度がぐっと上がったように思えます。
ファンの間でも最高のアルバムの１枚と評される事も多いです。
個人的にそこまでか？とも思いますが、長く聞ける飽きのこない良いアルバムです。
最近オーケンのソロ活動アニソンで新規ファンが開拓されてるようで、
2. 少年、グリグリメガネを拾う
4. サボテンとバントライン(remix)
5. 夜歩くプラネタリウム人間
6. 僕の宗教へようこそ!
9. イワンのばか
↑の辺はアニソン好きでもカジュアル聞ける曲じゃないですかね・