「Radios In Motion」がニューウェイヴのスローガンをぶちまけて、十代の倦怠を歌い上げようとも(「All the kids are complaining that there's nowhere to go, all the kids are complaining that the songs are too slow(みんな行くとこがないって言ってる/みんな歌がのろすぎるって言ってる)」)、『WHITE MUSIC』はXTCというバンドが、自然を愛するウィルトシャーから来たただの田舎パンクバンドではないことを教えてくれる。まず、アンディ・パートリッジはビートルズをこよなく愛している(当時はそこが不快だったりもしたのだが)。
1978年のこのデビューアルバムに明らかなように、断続的なリズム、パートリッジのこするようなギター、コリン・モールディングのベースラインとバリー・アンドリューが自然に編み出すキーボードなど、XTCのミューズはまぎもなく彼ら自身のものだ。彼らはゴミを集める袋やツバを吐いて歩く群れのような都会のバンドではなく、ワイヤー、ディーヴォ、トーキング・ヘッズに並ぶグループであることは明らかだった。『White Music』は巧みに実験的であり、気難しく不器用だ(「Crosswires」「I'm Bugged」や、クラッシュのレゲエ版をしのぐ、支離滅裂なディランの「All Along The Watchtower」のダブ・ヴァージョン)。
しかしながらまたこのアルバムは、商業的な不幸にも見舞われてしまった。彼らはおそらく英国始まって以来の、最も不運なポップバンドである。XTCというバンドのおかしなまでに苦難に満ちた道のりは、この時点ですでに最初の障害にぶつかっている。潜在的なポップシングルの名曲だった「Statue Of Liberty」の歌詞が、建前はお堅いBBCの規則に猥褻(わいせつ)だとしてひっかかり、ラジオという売れる機会を奪われてしまったのだ。(Kevin Maidment, Amazon.co.uk)
実はニュー・ウェイヴとはこのアルバムを指した言葉
★★★★★
NEW WAVE という言葉は、このXTCを指した言葉であったことは結構知られているのだろうか?ギター、ベース、ドラムス、オルガンという編成でここまで斬新でポップな音楽を作ってしまったのだから、思わず誰かが付けてしまったのだろうけど、後発のNEW WAVE勢には絶対に辿り着けないような孤高の何かと危険な臭いがある。刺激の強さもスピード感もパンクのそれとは一味違う。まさに唯一無二の存在が初期のXTCだったと思う。カギを握っていたのはポロポロのオルガンをステージでも転がしまくっていたバリー・アンドリュースにあるのは間違いないのだけど、エキセントリックな雰囲気を醸し出していたのはそのチープなオルガンの音色だけではなく、アンディーのヴォーカルの声質とコリンの堅いベースの音も重要だったと思う。このアルバムの究極の一曲はテレビのライヴでも見たネオン・シャッフルだと思うけど一般的には12インチにもに入っていた3.と7.かな。特に3.はシングル・バージョンより屈折度が高くて好き。近年アンディはバリーとの活動も再開しているようだけど、やっぱりアンディーにとってもこれは重要なアルバムだったんだと思う。極稀にこのアルバムを「卒業した」とか「音が悪い」とか批判する人を見ますが、見当違いもいいところなので信じないように。当たり前ですが、歴史的な名盤です。
実はニュー・ウェイヴとはこのアルバムを指した言葉
★★★★★
NEW WAVE という言葉は、このXTCを指した言葉であったことは結構知られているのだろうか?ギター、ベース、ドラムス、オルガンという編成でここまで斬新でポップな音楽を作ってしまったのだから、思わず誰かが付けてしまったのだろうけど、後発のNEW WAVE勢には絶対に辿り着けないような孤高の何かと危険な臭いがある。刺激の強さもスピード感もパンクのそれとは一味違う。まさに唯一無二の存在が初期のXTCだったと思う。カギを握っていたのはポロポロのオルガンをステージでも転がしまくっていたバリー・アンドリュースにあるのは間違いないのだけど、エキセントリックな雰囲気を醸し出していたのはそのチープなオルガンの音色だけではなく、アンディーのヴォーカルの声質とコリンの堅いベースの音も重要だったと思う。このアルバムの究極の一曲はテレビのライヴでも見たネオン・シャッフルだと思うけど一般的には12インチにもに入っていた3.と7.かな。特に3.はシングル・バージョンより屈折度が高くて好き。近年アンディはバリーとの活動も再開しているようだけど、やっぱりアンディーにとってもこれは重要なアルバムだったんだと思う。極稀にこのアルバムを「卒業した」とか「音が悪い」とか批判する人を見ますが、見当違いもいいところなので信じないように。当たり前ですが、歴史的な名盤です。
捻くれパンク
★★★★★
デビュー作にしてポップとブラックミュージックとテクノを縦横無尽に突き進む傑作。
同世代がパワーコードでパンクロックを奏でていた時期にこの完成度、後にUK屈指のポップ職人になるのも納得できます。
それと、All Along The Watchtowerのオリジナルはジミヘンじゃなくてボブデュランですよ(笑)
えくすたし
★★★★★
初期パンク世代でこの完成度。
イングリッシュ・セットゥルメントもブラック・シーもいいし、大好きである。作品としてはイングリッシュ〜が一番好きだ。でも、コレが、一番カッコいい。キュートでキッチュで、ボーカルの声もやっぱこういうヒネたポップに合う。コロコロ曲展開が変わってく感じの。
XTCの他の作品聴いて「何か魅力ないなぁ」と思ったあなた。ファーストはぶっ飛んでますよ。
がむしゃらなXTC
★★★★☆
(誰でも一枚しか作ることができない)ファーストアルバムには、そこにしかないキラメキや勢いがとてもまぶしく感じられるものになっていることがままあるが、本作もまさにそんな作品。
名工のPOP仙人みたいなイメージになる前の、世の中に打って出る時の勢いとガムシャラさが、パンクの時代とも相俟って気持ちのいいスピード感に溢れている。
ジミヘンの「All along the watchtower」はいろんな人がカバーしているが、本作のXTCヴァージョンが最高にかっこいい。