構成としてはtrk1が大作インスト、以降が多彩なボーカリストとともに製作した歌モノ。
trk1は、マイクと、当時の重要なコラボレーターであった現TOTOのサイモン・フィリップス(ドラム)により製作されているが、穏やかなメロディと緊張感ある演奏が完璧な調和を見せる傑作。
後半の歌モノは、とにかくボーカリストがすごい。ボニー・タイラー(trk2)、ケヴィン・エアーズ(trk3)、マックス・ベーコン(trk5)などは、どれも彼らの個性を活かした素晴らしい楽曲で、個人的にはtrk2の美しさ!に感動した。ボニーというと、力任せにロックしていると思われたかもしれないが、これが本当に壮大なメロウな曲。そしてこれが彼女の実直な歌唱にマッチしている。
そして、本作最大の発掘は、まさにマギー・ライリーの再来かと思わせる歌姫、アニタ・ヘジャーランドの活躍だろうtrk4,6,7というアルバムのハイライトで歌声を披露するが、とにかく透明感があり感動的である。trk2のメロディを引き継ぐ形で更に煽情度を増した感動のtrk7は何度聴いても溜息が出る。
正にマイクの中期の代表作だと思う。これがあまり引き合いに出ないところに彼が本当に正当な評価をなされていないということが現れているのではないだろうか。