1973年に『チューブラー・ベルズ』で衝撃のデビューを飾ったマイク・オールドフィールド。80年代に入るとコンパクトなポップ・ソング路線に進 み、「ムーンライト・シャドウ」がヒットするなどしてきたが、1990年に発表した本作でふたたび大作主義が復活！ 全1曲60分という、CDの特性を生 かした大曲となった。アフリカン・リズムの導入など、いわゆるワールド・ミュージックに接近したサウンドゆえに75年の『オマドーン』とも比較されるこ の作品だが、あるときは激流のように、あるときはせせらぎのように流れる音世界は円熟の域に達している。（山崎智之）