皆が口を揃えるのも判るなぁ…
★★★★☆
私自身はロック(ギター)を入口に、ジャズ・ロック的な側面でラリー・コリエル氏を知り、更に(L.コリエル氏とも共演した)ステファン・グラッペリ翁から、このジャンゴ・ラインハルトに辿り着きました。名前だけなら聞いた事はあるものの、なかなか手が出せずにいましたが、ようよう本作でD.ラインハルト体験となりました(^^;
例によって本作が氏の代表作であるか否かは判りませんが、S.グラッペリ翁との掛け合いで楽曲を進めてゆくパターンの中において、時にメランコリックであり、時にハキハキとしたプレー、その何とも粋なメロディラインに"なるほど、皆が口を揃えるのも判るなぁ…"と得心しました。
オリジナルジャケットを使用しているせいで、インナーの表/裏ジャケ共に12曲のクレジットになっていますが、リマスター+追加トラック入りで全23曲74分超となっています。
とは言え、小生のような初心者がいきなり70分超えでぶっ通しで聴くのはちょっと疲れました(^^;
ほんのりとした哀愁
★★★★★
昨今を問わず、彼の音楽性を模倣した演者は数多存在しますが、
やはり唯一無二の存在であると思います。
特にステファングラッペリと織り成すメロディーラインは、その後の時間の経過と共に、独創的と普遍性との両立を得た稀有な一例です。
僕の持っている盤は2枚組で構成されており、その中にin the sentimental moodが収録されていました。これは本当に素晴らしい演奏です。
勿論、ジャンゴロジーそのものが素晴らしい名盤であることは明白なのですが、もし興味を待たれた方がおられれば、僕の持っている構成の盤も探されてみることをお勧めします。
ありがとうございます。
★★★★★
こんな昔に、こんなに感動させてくれるメロディーを作った人がいたなんて。いろいろ調べて見ると、火事に遭い、左手の指が麻痺しているのに以前と変わらぬ素晴らしい演奏を続けている。ジャンゴさんに出会えて幸せです。
ジャンゴロジー
★★★★★
古ぼけた音と思うなかれ、確かに録音は古いがジャンゴの泉のごとくあふれ出る自由自在のアドリブ、これぞジャンゴワールド。聞けば聞く程味があるなあ、と思いながら今日も聞いております。
素晴らしい演奏でした! オリジナルアルバムよりも11曲も収録曲が多いのは僥倖です。
★★★★★
1949年という第二次大戦後さほど日が経っていないローマでの録音です。
当時45歳だったステファン・グラッペリのヴァイオリンの演奏はとても躍動感に満ちていました。老境と呼ばれる年代になっても沢山の名演奏を残してくれましたが、全盛期のスゥイングはまた格別でした。
ギターの天才と呼ばれたジャンゴ・ラインハルトのテクニックは抜群です。改めて感心しました。左手に障害があるなんて感じさせない名演ですし、なにしろその熱きハートが演奏から伝わってきます。
ジャンノ・サフレ(p),カルロ・ペコリ(b),オーレリオ・デ・カロリス(ds)のメンバーの水準は当時のミュージシャンとしては可もなし、不可もなしですが、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリの二人のからみは今聴いても驚きますね、素晴らしいジャズが繰り広げられています。
とてもリラックスして心地よさそうに演奏している2人の姿が目に浮かびます。
穏やかでパリの香りが漂う「ラ・メール」、スゥイング感溢れる「ダフネ」、踊りだしたくなるような軽快な「ペイパー・ムーン」、往年のスゥイング・ジャズの代名詞でもあった「世界は日の出を待っている」で奏でられる音楽は当時の最高傑作の演奏だと思いました。
そしてアルバムタイトルの「ジャンゴロジー」。どれを取ってもヨーロッパジャズの上品な雰囲気がふんだんに感じられます。
他の組み合わせでは聴くことの出来ない独創的な「悲愴(チャイコフスキー)のインプロヴィゼーション」がまた最高でした。
ジャンゴが亡くなる4年前の演奏です。本当に貴重なセッションでしたね。