マヌーシュ(ジプシー)という独特な文化背景から生まれたジャンゴ・ラインハルトの哀愁を帯びたスウィングギターは、ジャズというには軽やかで色気に満ちており、世界中のアコースティックギタリストたちを、今なお捉えて已まない魅力に触れるようだ。
音源が古いためノスタルジアな印象に終始しがちだが、ジャンゴ(ギター)やグラッペリ(ヴァイオリン)の奏でる音は艶にあふれ、他の弦楽器バランスともに絶妙なセッションを聴かせてくれている。その演奏は全曲を通しアグレッシブで、プレイヤーたちの活き活きとした姿が目に浮かぶようでもある。
代表曲の〈MINOR SWING〉や〈DJANGOLOGY〉はクラブでのライブ録音だけに勢いがあり、ジャンゴの魅力全開といったサウンドが堪能できる。
マヌーシュ・スウィングの真骨頂を味わうに最適な一枚。