マークの手掛けたM2,M5,M9,M13のソウル・ジャズ的なものはもちろん素晴らしい。色彩豊かなアレンジメントにソウルフルなヴォーカル、時々ドラムンベ-ス風になる絶妙なドラミングなど、もはや完全にフェイクの域を脱したと言えるかも知れない。
ただ、注目すべきはディーゴの手掛けた作品における、『ブロークンビーツ』である。特にM12は素晴らしい。
一聴した限りではキャッチーさがないので「何だこれ?」で終わってしまうが、ぜひ能動的に耳を傾けて、リズムを感じ取ってほしい。拍子が目まぐるしく変化するが、メロディを良く聴くとだんだん理解できるはずだ。拍子が完全に取れた時の、ビーツの絶妙さは『格別』である。