かわいいころを過ぎたら アン編
★★★★★
私は、「かわいいころを過ぎたら」以来のつきあいです。
前作ではリュウ君にスポットが当てられていましたが、今作では妹のアンちゃんの話題です。
帯には「アン、高校やめる」とあります。
まだあどけない娘だったアンの生い立ちに始まり、中学受験時の苦労、学生生活を謳歌しているはずの高校時代ときて、突然の中退宣言。親から見れば、思春期になっても、かわいいころと少しも違わぬイメージで眺めているものです。そのアンちゃんが、一体どうなってしまうのでしょう。
子育てがこのコミックの作者家族のようにあるべしとか、この家族のあり方が望ましいとか、そういうことを言いたいわけではなく、アンちゃんも家族も取り返しのつかぬ事態になることなく、無事に難局を乗り切ってくれれば良いなあと願いながら読みました。
「母親には理解できない、異性である男の子の思春期」
女の子の思春期も同様ですね。
理解出来ないものだと分かっているつもりで、つい口を出してしまいます。
甘すぎる
★☆☆☆☆
将来ダンサーになりたいから高校を辞める。と唐突に始まった物語。
他にも女の子のお小遣い、下着、母と娘の関係も描かれています。
読み終った時に思ったことは「両親は甘すぎる」ことでした。
中学校から私立女子校に通って、習い事もしていて、恵まれている家庭環境なのにと思った。
この世の中、いい学校・大学に行きたくても経済的に諦める家庭が増えるなかなのに
贅沢だなと思った。情報発達のなか、インターネットの掲示板を通じて同じようなこ
とに遭遇した家族の意見も訊いて参考にしてから答えを出せばいい、娘に心打つよう
な説得をしたらいいのではと思った。通信制高校の学費、ダンスのレッスン料、
お小遣いが足りなくなったらせがむ、ダンサーになるといったからには自立しなけれ
ばならないのではです。買って損したことなく、何度読み返しても読み応えあります。
高校中退
★★★★☆
突然、娘が高二で、「ダンサーになるので学校やめる」といいだし、
親も悩んだ末、それを認め、通信制の高校に通いつつ、ダンサーを目指すというストーリーですが、
個人的には、好感が持て、いい話だと思いました。
「高校は出ておいたほうがよい」と親は説得しますが、「では通信制の高校に行かせてくれ」と娘。
親「あと1年なんだから高校卒業してからダンサーをめざしたらどうか」
娘「無駄な受験勉強させられるのが耐えられない。ダンサーになると決めたから全日制に通う時間はない」
・・・で、娘はそれを押し切ってしまいます。
個人的には日本の高校の授業というのが、社会に出て全く役に立たず、
もうすこし役に立つことを教えられないものかと思っているので、
本人が良いというのであれば、それはそれでよいと思います。
ただし、高校を辞めてもよいと思いますが、
週3回3時間のバイトでは、おこづかい程度にしかなりません。
学校は行かない・定職もなく、実家に住みつき、生活費もいれない訳で、
親は通信制高校の学費と、ダンスのレッスン料と、おこづかいの足りない分を払っているわけです。
ちょっと親は甘すぎな気がしないでもない。
でも、大変楽しく読むことができました。
少し気が強いくらいだったアンちゃんが、
このように、力強く育ったことに、
以前の作品を読んでいたものとしては感慨でいっぱいになりました。
やりたいことに一生懸命なアンちゃん素敵です。
★★★★☆
ママぽよが愛読書の私にとって、アンちゃんのその後の話はとても興味のあるものでした。
この作品で出てきたアンちゃんは服装で先生から何度も呼び出しを受け、でも、「本当は金髪にしたいのに、茶髪で我慢してる」と言い放つ今時の女の子だった!
最初はそのことにびっくりし、違和感を感じていたのですが、いえいえ、どうして。
在校する学校はエスカレーター式に上がっていける世間的にも評価されている学校(のように読めました)なのに、自分が一番やりたいことを選んだ。
まわりから批判されて平気なはずはないのですが、自分のやりたいことをやるためにとっても一生懸命なアンちゃんがうらやましくなったほどです。(しかも、それがとっても楽しそう)
自分がどうしたいかに向き合わずに大人になり、後になってそのことに気づくことが多い今の日本で自分で自分の人生を選んでいくアンちゃんは素晴らしいと思います。
世間というものを知っているお母さんの立場からの青沼さんの思いもわかるので、読んでいるあいだ、一緒にハラハラドキドキしました。
星4つなのは、一度読んでしまうと安心して、ママぽよのように手元に置いておかなくてもいいかな、ということで。
親が子を信じなくて
★★★★★
誰が信じるんだ。って思いました。私も昔から『ママぽよ』大好きでアンちゃんの成長を楽しみにしていました。せっかく頑張って受験して入った高校を辞めるとなった時、私ならすぐ青沼先生のような決断はできないかもしれない。だけどアンちゃんの『なんだ。やっぱり世間体』の言葉がズキンときました。そうかもしれない。いや、そうだ。だけど娘の幸せを願う気持ちと娘の夢を応援したい気持ちが交差して青沼先生もかなり悩み、葛藤した事と思います。最後は娘を信じる気持ちが勝ちましたね。色々な試練を乗り越え成長したアンちゃん。赤ちゃんの頃『アイシューアイシュー』って連呼(笑)していたのに立派になりましたね。同じ子供を持つ親として涙が出てしまいました。