本作のストーリーは2部構成。「タンカー編」では、前作『PS one Books メタルギアソリッド』でメタルギアの破壊に成功したあと、反メタルギア財団「フィランソロピー」の一員となった元FOXHOUND隊員のソリッド・スネークが、新型メタルギアに関する情報を耳にし、偽装タンカーへと乗り込んでいく。「プラント編」はタンカー編の2年後という設定で、新生FOXHOUND隊員・雷電を主人公に、武装グループが大統領を人質にとって占拠した巨大プラントに単独潜入していく物語を描いている。
何も持たずに身ひとつで敵地に乗り込み、武器や情報はすべて現地調達。敵や監視カメラの目をかいくぐり、目的を達成していく。これほどプレイ中に手に汗握る緊張感を味わえるゲームは、他にないといっても過言ではないだろう。過去から脈々と語り継がれるスネーク伝説に熟知したファンはもちろんのこと、シリーズ初体験のユーザーも楽しめる作りとなっているオススメの一品だ。(荒木秀哉)
美しいグラフィック、ツボを押さえた絶妙なカメラアングル、豊富で自由がきくアクションなど、凄まじく完成度の高い作品ですが・・・。
「物語」としては前作に一歩及ばない、といったところ。
映像激戦区のPS2内でも異彩を放つほど美麗なグラフィック。
大作映画顔負けの荘厳なBGM。
ゲーム世代ならニヤリとする、ウィットに富んだジョーク。
正に『ごっこ』ゲームの最高峰、純粋な娯楽傑作に仕上がっている。
ストーリーの端々に、過剰ディフォルメによる舞台設定の
破綻が垣間見えるが、アニメ作品だと思えば些細な問題。
よくもまあ、誰でも遊べるオモチャ箱を大真面目な
鋼鉄色に塗り変えたものだ、とつくづく感心。
『かっこいいもの』を嫌味さを出さずに親密に表現しきる。
これが小島監督のすごい所、なのだろうか。
オマケのキャラ差し替えシアターも最高で爆笑必至。
間口は広く、奥は深く。
ゲームの理想を見事に体現している一本。