前作を超えた「バージョンアップ版」!
★★★★★
前作に続く、待望の新刊。
リクエストが多かったのか?(笑)、今回は第三章で「各科目別対策法」も試みている。
ただ、かつて中学受験を体験した一保護者として、まずは先生が最も重要視している、第二章の2「子どもを不合格にする親が陥りやすい五つの過ち」と真摯に向き合ってもらいたいと願う。
決して本意ではないにせよ、「親自身の存在が子供を不幸にし、不合格へと導いている」なんて、あまりに悲しすぎるから・・・。
そしてもう一つ、小林先生といえば「教育の本質を語る人」というイメージがある。
そういう意味からも、前作同様、第四章「人生における中学受験の意義〜学びの果てにあるもの〜」が、個人的には一番好きだ。
別の言い方をすれば、「この第四章が理解でき、共鳴できる保護者であるならば、安心して中学受験に臨んでいけるのではないか?」とさえ思う。
この一冊は、もはや「親と子の教育指南書」という枠組みを超え、「如何に生きるべきか?」という、限りなく哲学書に近い雰囲気さえ醸し出しているのだ。
先生の、決して親を非難しているわけではない語り口、「まだ不幸にして気付いていない親に、自分の知り得た事を、何とかして伝えたい」という必死の思いが、本書を通じ、ひしひしと伝わり、胸を打つ。
これもご本人の持つお人柄だろうか。
例え中学受験が終わっても、高校受験は勿論のこと、生きている限り、教育と接点がなくならない限り、繰り返し読みたくなるような存在価値を感じている。