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石橋湛山―リベラリストの真髄 (中公新書)

価格: ¥966
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
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引用が多い ★★★☆☆
 やたらと引用が多いので、これを読むなら岩波文庫の評論集を薦める。
 私はこれを先に読んで、評論集を読んだので何か損をしたような気がした。
 全集も読んでみたいと思っているが、かなり高いからなあ。
 東洋経済新報社さん、選集でもいいので廉価版を出してくれませんかねえ。
バランスのとれた評伝 ★★★★☆
この本を手引きにして、
石橋湛山全集などを参照すればよいようだ。
手引書として安心できる感じ。

それにしても、
「青島は断じて領有すべからず」など、湛山は明快。
「強く出ることはますます外交を失敗に終わらせる」など
当時の大隈首相、加藤外相や、吉野作造などを
はるかに超える見識をそなえていたと
感心しきりである。
ラジカルなリベラリズム:稀有な言論人 ★★★★★
 出版年が1995年とやや古く、通年的に湛山の主張が紹介されるので、個々のエピソードを軽く読んでしまうと。さらっと、印象も深く無く読み進めてしましそうです。
 しかし特に、明治期から戦前期の東洋経済新報社論に関する短い個々のエピソードは、その時代の常識や暴力的な統制に対しても毅然と(検閲で止むを得ないときは遠隔表現を使って)批判をするすがたは「鬼気迫る」ものを感じます。清沢洌は「日本人は戦争に信仰を有していた。日支事変以来、僕の周囲のインテリ層さえことごとく戦争論者であった。…これに心から反対したものは、石橋湛山、馬場恒吾両君ぐらいなものではなかったかと思う。」(暗黒日誌Up.71)と述べています。完全普通選挙、議院内閣制の擁護、統帥権を盾にする軍部の痛烈批判、日中戦争の終結と中国へのオープドア制裁と、旧体制に対する基本的批判を全て網羅しています。
 太平洋戦傷終結後は、日本再生のため政界に進出しますが、官僚出身の吉田茂の外交官らしい権謀術数とはそりが合わず、党人派鳩山一郎と連合を組みますが、鳩山の郷愁的ナショナリズムによる日本再武装論とは相いれませんでした。
 第一吉田内閣の大蔵大臣として入閣するものの、GHQのデフレ政策の指示に対し、日本は不完全雇用状態にあるとして、完全雇用へ向けての積極財政を主張、さらに、進駐軍の経費が、政府予算の3分の1を占め、かつその中には占領政策に無関係な私的使用が見られる事などを明らかにして、進駐軍経費の削減をねらったようです。その結果、GHQの政策への不服従、進駐軍経費の削減要求などに、頭にきたGHQが湛山を公職追放に指定したようです。筆者のインタビューに対し、当時民政局のケーディス大佐は、「湛山の戦前のリベラルな主張は知らなかった」と答えたそうですし、当時経済科学局財政課長ビープラットは、「湛山後の蔵相はイエスマンばかりでやり易かった」と答えているそうです。旧体制の日本であれ、進駐軍の方針であれ、信念に従って意見を主張する気概がみてとれます。
透徹した目で時局を適切に分析し、けして権力におもねないないというジャーナリスト、自由主義、民主主義、世界平和をなんのてらいもなく主張した政治家、このような傑出した人物を我々はまた生み出すことができるのでしょうか。
マスコミの危機は過去だけのものか? ★★★★★
明治後期から大正デモクラシーまで、民主主義の胚芽ともいうべき時代が生み出た石橋湛山の足跡を明示する。
小日本主義を掲げ、その後の政党政治の闘争による民主主義の喪失と軍国主義の台頭を、オブラートに包みながら批判し、時には厳しく指摘を行い、膨張主義的日本を憂いだリベラリストの真骨頂がある。そして、現在(平成21年)の政治を省みるに、正に戦前の民主主義の危機を感じずにはいられない。湛山の教訓は現在の教訓であり、湛山の警鐘は現在の警鐘に他ならない。歴史は繰り返すというアイロニーを感じずには入られない。
「低級なる読者の歓心を買う為に、知らず知らず議会を排撃し、言論の自由を自ら失うことに努力した」
と述べる湛山の言葉は、果たして過去の言葉であろうか?
激動の時代を変わらぬ歴史認識を貫いた偉人 ★★★★★
 あのような時代にどのようにして一貫した歴史認識を持ちえたのか。これが、僕の石橋湛山に関する印象である。
 戦前・戦中は在野のエコノミストとして、戦後は組閣するものの短期で退陣した首相として知られる。
 しかし、その真骨頂は1910年代から73年の死去まで、ラディカルな言論人としての行動にある。それは、普通選挙運動や第一次世界大戦の参戦・シベリア出兵というロシア革命に対する干渉の日本の姿勢に対する批判に始まる。
 軍部の力が台頭した1920年代には、「小日本主義」を掲げ、徹底不干渉・民族自立の尊重を主張し、朝鮮半島・台湾・遼東半島の植民地放棄、満州放棄を政治・経済・軍事・国際関係等の様々な角度から説いた。特に、植民地等を放棄し独立を認め、対朝鮮・中国貿易を促進する方が経済的に日本に有利であるとする論拠には圧巻である。
 石橋は、もちろん日中戦争・太平洋戦争に反対を続けながら、終戦を迎えた。戦後日本の経済繁栄をみると、彼の主張が正しかったことが証明されている。
 また、首相退陣後の石橋は、冷戦を分析したうえでのソ連・中国との外交関係改善活動や「日中米ソ平和同盟」構想の発表等の活動を行った。この書は、これまではあまり研究の対象とならかった首相退陣後の石橋についても記してあり、とても新鮮に感じた。