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石橋湛山評論集 (岩波文庫 青 168-1)

価格: ¥882
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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疑問・・・ ★★☆☆☆
石橋湛山といえば、
金解禁に際し、旧平価によることを戒め、
新平価によるべしとの論陣を張って
有名になったはず。
本書はこの部分をカバーしていない。

編者の専門にひきつけすぎではないかとの
疑問を抱かざるを得なかった。
教科書にも掲載すべき核心を突く論調 ★★★★★
我が国の政治の現在の課題とその解決の方向を既に明らかにしている素晴らしい内容を随所に含んだ名著と思う。特に大日本主義の幻想に記された論旨は、先の大戦失敗の本質を平明かつ明快に示す素晴らしい内容。当時の貿易統計において、満州、台湾、朝鮮の3地計の輸出輸入合計が、英国、米国それぞれ一国に対する単独額よりも少ないことを示し、米国、英国(インド含)こそ我が経済的自立に欠くべからざると論じて3地のために米英に敵対する愚を示し、明白な理屈もなく、打算もなく、国土の膨張を憧れることの無意味を鮮やかに示している。先の戦争で払った悲惨で多大な犠牲に唯一見合う成果があるとすれば、このような愚を繰り返さない事をイデオロギーの色眼鏡なしに素直に正しく学習することであろう。(悲しいことに、反戦護憲でも愛国でも現実世相は全くその逆としか思えないが)そのためには、是非教科書で取り上げてほしいものである。ガンジーに通じる人道や平和に対する理想主義的ともいえる考えも、決して情緒的なイデオロギーではなく、現実を深く考えて実践しうる内容であることに感銘を受ける。行政改革の根本主義には、まさに現在も議論されている地方分権の問題の本質もこれまた明快に展開されている。民主主義が良くも悪くも身に付くには、オラが町のどぶいた延長線上にあるというのは避けざる本質であろう。現代人にこそ貴重な書と信じるが、時事の評論を集めたものだけに歴史の知識といつ書かれたのかを常に意識していないといけないところは、子供達にはやや辛い。中学生や高校生のためにエッセンスを判りやすく書いたものを、どなたか書いていただきたい。
近代リベラリストの代表 ★★★★★
現代の評論家でも反戦について説得力がなく、自己のイデオロギーのみを押しつけすぎて嫌気
が差すことはある。湛山老の反戦については、それを納得できうるデータと説得力があり、植
民地支配にしてもここまでデータ化するというのも流石である。更に戦時下に於いても、オブ
ラートに包みながら戦時内閣を酷評するなど、批判するポイントをよく理解している。

戦時下の論集など実務的な批判を行っているようで、その実当時の東条政権を酷評しているな
ど、ジャーナリストとしての立場として視野の広い批評は驚くばかりである。現在の大新聞は
戦時下に於いて扇情的に国民を煽り、現代では手のひらを返すように反戦を国民に煽った所で
説得力などない。

視界を広げた豊かな文章が、現代に於いて少ない事を嘆くししかないのか。現代の論集から
湛山老の言葉がでてこないのは何ゆえか?
未だ輝きを失わない、大正期の名論説 ★★★★★
 何と言っても、普通選挙の実施、植民地の放棄や軍備の撤廃といった大正期の論説が圧巻。同時代にこれ程進歩的な言説が有ったというだけでも感嘆を禁じえないが、その論説が単なる理想論ではなく、むしろ徹底した現実主義に基づいているのには全く脱帽した。多くの人々が今から見ると怪しげな「正義」や「理想」に基づいて外交や対外進出を考えたのに対て、石橋は冷静に現実を把握しつつ、日本のあるべき姿を考えていたのだろう。
 また、石橋の論説は戦前の物としては読みやすい文章だから、この分野の初心者でもそんなに苦労せず読めると思う。
 石橋の評論が大正・昭和の日本、特にその外交や大陸政策を考える上で必読なのは言うまでも無いが、同時に本書は現代の日本を論じる上でも示唆に富んでいる。狭い視野に基づく理想や信条から安易に外交を論じる人々がいるうちは、本書の論説の輝きは失われないだろう。
出でよ湛山の後継者!! ★★★★★
読み進む程に感じるのが、「大きく右旋回した腐った政治家(屋)、(似非)学者、(御用)評論家、(御用)マスコミが跋扈する今の世の様を、湛山があの世で見ていたらどう思うだろう」という事につきる。湛山がこの評論集の夫々の評論で警鐘を鳴らす由々しき状況、60〜90年も昔の事であるにも拘らず、その様相が酷似していると感じるのは私だけでは無いと思う。軍備拡張の問題然り、女性の権利の問題然り、言論の自由然り、中国・朝鮮(当時)との関係然り、地方分権の問題然り、官僚政治の弊害の問題然り。長い目で見れば人類は間違いなく「進化」して来たと言える。しかし、ことこの日本という国のこの10年余という時の流れにおいて、これ程までに人や国家は「退化」できるのか、という位この日本という国は、戦前・戦中の腐った状況を「平和ボケ」の余り忘れてしまい、全く同じ誤った道に進もうとしている。
本当に今のこの日本の政治家の中に、湛山の思想を理解し実践しようとする者は存在しないのだろうか?そして、日本国民はこのまま「退化」の一途を辿り、間違った政権を支持し続ける事で、せっかく手に入れたはずの「平和主義」や「民主主義」すらも捨ててしまうのだろうか?愚かな事である。
しかし、日本国民はそこまで愚かでは無いと信じる。湛山曰く、「戦法の極意は人の和にある。驕慢なる1、2の国がいかに大なる軍備を擁するとも、自由解放の世界的盟主として、背後に東洋ないし全世界の心からの支持を有する我が国は、断じてその戦に敗るることはない。」
日本という国が、「日本国憲法」の精神に忠実な国としてこの地球上で存在価値を示し、国民が自ずと自国に「誇り」と「愛国心」を感じ、自発的な「公共心」を発揚できる国となるには、前述の湛山の言葉にあるが如き信念を貫ける政権を、国民自信の手で作り出せるかにかかっている。