インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

マルクスを再読する―「帝国」とどう闘うか

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 五月書房
Amazon.co.jpで確認
マルクスを「現在」に鮮やかに読み直す貴重な一冊 ★★★★★
アルチュセールを通して、スピノザ、サイードを経由し、
遂には日本の戦後マルクス思想が、全て市民社会派的なマルクス主義に陥ってしまったことを、
マルクスの言葉を検証するなかで、鮮やかに浮かび上がらせている。
小熊英二の『民主と愛国』には全く抜け落ちてしまっている、資本主義社会への根源的な批判が、
マルクス自体の言葉の中によみがえってくる。
この普遍的でありながら、資本システムの全世界化が猛威を振るう「今」を射ることの可能な言葉が、ここにある。
的場さんは今最もスリリングな、正真正銘のマルクス思想家である。
格好の入門書 ★★★★★
 日本において一般にマルクスあるいはマルクス主義は過去の遺物として扱われている。というのも、わが国のマルクス主義者のどんな局面においても「再販可能」な批判的言説にわれわれはもう辟易としている。たとえば、「福祉国家論は国家独占資本主義の矛盾を隠蔽するイデオロギー理論である」という言説はなにを言わんとしているのか?
 しかし、ほんとうにマルクスは過去の遺物であるのか。私はそうは思わない。なぜなら、人間を、社会を考察するにあたってマルクスはいまだにその有用性を失っていないどころか、その際に必要不可欠な思考の枠を与えてくれる思想家の一人であるからだ。
 ここに、ラカンが「フロイトに還れ」と言ったように、われわれはマルクス主義ではなく、マルクスに還る必要が認められる。しかし、マルクスの書物はやはり難解だ。この書物はマルクスの主要文献を学部生に講義するような平易な語り口でひもといてくれる。この書を片手にマルクスの邦訳を読めば、「なるほど」と愉悦にひたることもできるように思う。
打倒!ネグリ!! ★★★★★
この本を読まずして、マルクスを語るべからず!
著者にゴマをするわけではないが、この本の完成度は高い!
ヘーゲル→マルクスという従来の流れではなく、スピノザ→マルクスという新たな潮流を取り入れながら、的場節が舌好調である。
たしかにこの本の問題点としては、哲学史、現代フランス思想の素養が必要なことは否めない。しかしながら、そのことを理由に読まないというわけにはいかない。一度読むと病み付きになること間違いなし!
この本の後に出された『マルクスだったらこう考える』も必読されたし!
挑戦的なマルクス解釈! ★★★★★
 著者のマルクス解釈の要諦は「近代市民社会そのものを批判する思想の系譜の中にマルクスを読み込む」ということでしょう。
グローバリゼーションが急速に進行し、資本主義の矛盾がますます顕著になってきている現在、新たな展望が一向に見えてこないのは、
資本主義社会の土台である近代市民社会そのものへの批判が欠けているからだ、と著者は主張します。

 その視点のもとで、スピノザ、マキャベリ、モンテスキュー等の思想を駆使しながらマルクスの主要書をそれぞれ再解釈していくくだりが、
本書の最大の「売り」でしょう(久々に読書で興奮した!)。
当然、巷に流布しているマルクス解釈とは、かなり違ったものとなっていますが、だからといって近代市民社会を性急に全否定するよう
な非現実的なものではなく、またマルクスで全てを説明しようとしているわけでもない、著者のバランス感覚も良い感じです。

惜しむらくは、スピノザ解釈の説明が抽象的で多少難解であること(現代思想の素養が必要か?)くらいでしょうか。

 社会思想、グローバリゼーション、マルクス、等に興味がある人は必読です!!新たな思考の軸を手に入れることが出来ると思います。
(この筆者の考えを具体的に適用するとどうなるのか、と興味を持った人には『マルクスだったらこう考える』をお勧めします)