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アイヌの碑 (朝日文庫)

価格: ¥483
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞社
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一冊だけで判断しないでほしい ★★★☆☆
まずアイヌ問題とは難しいことだ。恐らくこの本を読んでアイヌの事を知った人の多くは「昔日本は悪いことをしたんだ!」とか「日本政府は差別をしていたんだ」とか思ったであろう。しかしよくよく考えてみれば、もし日本がアイヌのいた北海道を治め、主権を宣言しないと、ロシアは南下して占領、日本という国は今無かったかもしれない。

「それでもアイヌの人にひどいことをしたじゃん!」とか言うであろう。確かにアイヌを不当に扱った側面があるのは否定できない。しかしその当時の全世界が同じ事をしていたのだ。例を挙げればオーストラリアはアボリジニ、アメリカはネイティブアメリカンを虐殺した。それ以外にもいっぱいな例がある。

今では純アイヌという人は全くいない。和人との結婚率が9割を超えていたからだ。ということは今ではどれほどの人にアイヌの血が流れているのか疑問が残る。それでもなお国会で決議をして、アイヌに多額の公金を投入するというのはいかがなものだろうか。

今の日本という国は間違いなく住みやすい国だ。人権抑圧などとは無縁の平和な国だ。明治からの日本をマイナスなイメージでだけで判断せず、一度自分自らでこういった問題を考えてほしい。

そして最後に言いたいのは、アイヌ問題などを初めとして、それを口実に私たちのおじいちゃん、ひいおじいちゃんを罵るようなことはやめるべきだ。
亡くなられた萱野茂氏の自伝 ★★★★☆
アイヌ文化の担い手として有名な、萱野茂氏の自伝。
参議当選や二風谷裁判の前の著作であるが、氏がアイヌの伝統の保存に
血道をあげてきた足跡が書かれている。

民族問題を取り上げた著作は、とかく悲憤慷慨満ち満ちた、という内容になってしまう場合も多いのだが、
この本は等身大の萱野氏の姿勢と優しい口調で書かれているので、炉辺で話を伺うかのように、体温を感じながら読めた。

(自分も含め)一般にはあまり理解されているとは言いがたい、
アイヌの人々の近現代史が等身大でつづられているので、その理解の一助になるのではないか。
僕にとっては、アイヌの民俗文化、そして日本人との歴史について、
もっと知りたいと思わせてくれる一冊になってくれた。
日本人について考えさせられる本 ★★★★★
大自然と共に平和に暮らしていたアイヌ。
そこに足を踏み入れすべてを奪った日本人。
それを淡々と語る萱野さん。
力のあるものが弱いものを支配するのは世の常ですが、
こんなに身近でほんの数十年前におこったことを、
今の日本人は知らなさ過ぎる。
本当に大事な物を壊してしまったということを知っておきたい。

アイヌの伝統文化を知り、人間とは何なのかを考え、
アイヌの運命を知り、日本人とは何なのかを考えさせられた。

大切な日本史の一部 ★★★★★
北海道でも、阿寒方面に行くとアイヌ部落が観光用にある。
今や、日本人でも「アイヌ?」と知らない人の方が多いかもしれない。
アイヌの歴史は、日本人のそれよりも遥かに古い。
昔は、日本列島全域に住んでいたこの異民族は、後に日本列島に移り住む民族(“日本人”と言われるようになる民族)に迫害され、殺されていく。
アイヌ人の運命は、アメリカ・インデアンやオーストラリアの原住民などの運命にとてもよく似ている。
家族は計画的に引き裂かれ、男子は小学生以上の年齢だと強制連行され、奴隷として働かされ、殺された。
女たちは強姦され、性の奴隷として売られた。子供たちは日本語で日本人として生きるための教育を受け、アイヌ人として生きることを阻止された。こうして、アイヌ部落は一つ、また一つと崩壊していく。
数少ないアイヌ人が北海道や樺太へ逃げていたが、19世紀に入るとその北海道にも日本人が侵入して来て、
悲劇はクライマックスに達する。
今や、アイヌ民族は絶滅危機にあり、純粋なアイヌ人は高齢を向かえ殆どいなくなった。
アジアの島、日本列島で「コーカソイド(白人)の原住民」と言われているアイヌ民族。
DNAからも彼らは東洋人ではないと言われている。日本だけでなく、世界中の人類学者が研究しているが、その大切な
存在であるアイヌ民族は幻となりつつある。手遅れになる前にアイヌ人とアイヌ文化について正確な記録を残し、彼らを保護していく必要があるのではなかろうか。