紅茶のブランドにカレルチャペックというのがあって、これってどういう意味なんだろうと調べたら、オーナーの山田詩子さんがチェコの作家でカレルチャペックの大ファンだったのでその名前をもらったそうだ。
あの紅茶のラブリーなイラストからするとユーモアたっぷりの少女趣味の女流作家なのかなと想像していたら、なんと大手新聞にコラムを書いていたチェコで絶大な人気の男性作家で観察力が人一倍すぐれていて毒舌ともいえる風刺がきいたエッセイストであったので痛快だった。
読み始めると、ぐんぐんカレルチャペックの世界に惹きこまれていってしまう。1920年頃の話しなのだが、現代の今におきかえても全く色あせていないというか、すごく新しい。洞察力にすぐれていて、多少毒舌めいているが理論的に説得力があって「うーん。なるほど」と頷いてしまう。
毒舌ではあるが愛情たっぷりのやさしい人柄の人なんだろうなと感じさせてしまう。読み終わったら、もう彼の虜になること間違いなしだ。