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海の友情―米国海軍と海上自衛隊 (中公新書)

価格: ¥3,664
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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海軍の重要性を考え直すために ★★★★★
 海軍とは不思議なものである。戦記物でも敵同士が互いに尊敬し、助け合う逸話に事欠かない。地面に密着して戦闘を行い、時として顔の見える距離で闘う陸軍とは何かが違う。海自が海軍ではないと言い張ってみても、日本の陸海空3軍の中で、唯一戦前からの伝統を途切れず残しているのが海自なのだ。

 その海自の誕生に興味を持ち、博士論文としてまとめるために来日した米国海軍士官にジェームズ・アワー氏がいる。アワー氏が機密解除された米軍資料を読み、来日して戦後の米国海軍と海自を繋ぐ人々を取材し執筆した論文は日米関係者に強い印象を与えた。筆者はそのアワー氏を通して多くの海軍、海自関係者を取材し、海自の設立や、日米関係維持のために活躍した多くの海自・海軍関係者の業績をこの本に記述した。

 海洋国家日本と世界最高の海軍力を持つ米国が協力するのは至極当然の理である。これが無くなれば、直ちに日本は自力で海外貿易のためのシーレーンを守る必要がある。それはおそらく地中海からスエズ、インド洋、マラッカ海峡を経て日本を経由し、北米へ至る現代版海のシルクロードとなるだろう。果たしてそれは可能なのか。日本は何をすべきなのか、考えさせられる書である。
過去を超えて培われた絆 ★★★★★
敗戦によりGHQによって武装解除された日本ですが、憲法9条の縛りがありながらも、自衛隊が創設されて再び軍備を持つようになります。

世界三大海軍の一つとまでいわれた日本の帝国海軍は消滅しましたが、帝国海軍の元軍人と、アメリカ海軍との「過去」を超えて培われた絆によって、海上自衛隊が創設されたのです。

国民に極秘で行われた旧帝国海軍による朝鮮戦争での掃海作戦から、湾岸戦争後に行われた海上自衛隊によるペルシャ湾の掃海艇派遣をつなぐ「人」と「歴史」を追う良書。誇り高き日本人の姿に感動しました。
人をうらやましがらせる本 ★★★★☆
軍も人が作った組織である以上、国どおしが同盟結んだところで個人的な友情
がないと実状が伴わない。
この本は海上自衛隊とアメリカ海軍が個人的な友情をベースにいかに組織も
一体となっているかを表した好著。
ちょっと海上自衛隊を美化しすぎてるんじゃないのと思う点もあるが、
(リムパックでひとり抜群の成績上げているとか、海自のPC-3だけいつもピカピカで新品と間違われるとか)
戦争をした海軍同士は好敵手としてお互い尊敬しあってるなんて描写は男心をくすぐる。
こういうプロどうしの友情って持ちたいねと思うし、そういう友情持てるなんて
うらやましくて、進む道間違ったかなとも思わせてしまう。
日本はアングロサクソンとうまくやっている時は繁栄するっていう法則は本当だな。
海へのロマン溢れる好著 ★★★★★
父親の阿川弘之氏と同様、著者の海上自衛隊に対する熱い想いが爽やかに綴られている。本書を読み、米海軍と海上自衛隊との間にこんなにも深い交流と絆があったのかと驚かされる。そして、両者の間には単なるfriendshipではなくて、軍隊として相互の敬意を勝ち得ることが必要であり、事実、海上自衛隊は志気と練度に置いて米海軍から敬意を得るに足る存在であると認識されていると知り、心強く思った。時あたかも、インド洋で海上自衛隊が米海軍に対する支援活動を行っているが、こうした貢献を通じて両者の絆は益々深まっていくのだろう。
日米同盟の基礎は友情だった ★★★★☆
長い間日本では、悲惨な敗戦という体験から、そして憲法9条の呪縛から、軍備あるいは防衛を語ることはタブーであった。

しかし、現実には、朝鮮戦争勃発以来、冷戦終結後の今日に至るまで、あらゆる意味で日本の防衛、そして太平洋地域の安全保障は日本の生存のためには最重要な事柄でありつづけた。単に、日本人がそのことに触れたがらなかっただけなのではないだろうか。

日米安保体制、日米同盟という良好な関係が実は、連綿と続いていたことが、戦後の日本の平和に如何に貢献してきたかは、寧ろ、冷戦終結後の現在だからこそ、国民全体は冷静に理解を示し始めている。

この強固な日米同盟関係を支えてきたのは、実は、一度は太平洋で戦った、日米の海軍とそれを引き継いだ、米海軍と海上自衛隊の人々の深い友情があったからだと本書は説く。

このような友情がどのように芽生え、どのように育まれて継続されてきたのかを、実に丹念に資料を紐解き、又、インタビューを重ねてまとめた本書は、中々重厚だ。

友情は無私の交流と、相互の理解が不可欠だ。海の友情によって支えられてきたこの日米の友情関係が、政治レベル、国民レベルで広がることを大いに期待したいものだ。

ところで、著者の実父はあの、海軍をテーマにした著作で有名な阿川弘之だが、その子息が、同じく海をテーマにしてしっかり重厚な著作を行ったことは、何とも嬉しい思いがする。