弱さと優しさの連鎖反応
★★★★★
「風向きが変わりはじめた」
言葉が象徴する通り、転機の巻。
誰かの弱さが、誰かの優しさを誘発し、
まるでドミノのように、物語は思わぬ方向へ転がり始める。
読んでいてリアルさに身震いしたのが、田中女史の言葉。
「あの子、仕事が空洞化してたからね。
仕事はサクサク進めてたけど、愛情や思い入れがゴッソリない感じ。
表面上忙しいままだから、本人も気づいてないかもしれない。
でも、いつの間にかそれが身についちゃう。
もしかして男に関しても、そうなってたのかもね。
愛情がないのに関係性だけが残ってる。でもその方が、執着しちゃう」
癒しを失って墜ちていく同僚に手を差し伸べる藤井や、
癒しを求めて必死にしがみ付く藤井を慰める佐原。
相手の痛みを自分が知っていると、頭よりも先に体が動く。
そして渡辺の決断と田中の反応が、流れるように描かれていく。
鋭い切れ味と、ギッシリ詰まった内容は1巻以上でした。
すごい…!
★★★★★
登場人物の会話や行動一つ一つがリアリティあって、読み応えのある一冊でした。特に煮え切らない彼を見限って結婚するくだりや実家に帰る憂鬱(既婚、未婚ともに妙齢女子の憂鬱加減がすごくわかる…)その描写にただただスゴイ!の一言です。
女子4人のトークも9巻目になると息が合ってとっても愛着わくし(^^)
大好きな漫画です。
女の本音炸裂!!!
★★★★☆
同僚の自殺という衝撃的な事件を受け、それぞれの
人生を考える面々。
アラサーの自分としては共感できるし痛いとこつかれた、
っていう部分がありまくりで面白かったです。
自分の人生を考えるきっかけにもなりそうな漫画だなと思いました。
渡辺と別れた石田がこれからどう関わってくるのかも楽しみだし、
今後の展開にも期待です。
怖い・・・。
★★★★★
妙齢独身女子には恐怖の巻です。
今までも働く女たちの現実を赤裸々に描いてきたこの作品ですが、
それだけに、この巻で踏み込んだ、フィクションとしてはそう珍しくはない事件は
他の作品で同じ事件を描いたとしても到底及びきらないような
重い不安、というより恐怖を伴っています。
現実にはそうたくさんある事件ではないのですが、
たぶん妙齢独身女子ならば決して他人事とは思えないでしょう。
その事件によって展開する登場人物の選択の数々は
綺麗事なく率直に描かれていて、作品としては面白いと思うのですが、
今オチている妙齢独身女子には、浮上するまで読まないことをオススメいたします。
前半の、「少子化対策」の下りには爆笑しますが。
妙齢女子は、元気なときに読んでください。