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正統とは何か

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 春秋社
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「本書の哲学的説明の例証」 ★★★★★
「私が前々から書きたいと夢みてきた物語がある。主人公はイギリスのヨット乗りで、ほんの僅か進路の計算をまちがえたばっかりに、実はイギリスに漂着しながら、これはてっきり新発見の南海の孤島にちがいないと思いこんだのだ。これは当然傑作となるはずだが、しかし私はあまりに忙しすぎて(あるいは、怠けすぎてかもしれないが)、まだ一字も書くに到っていない。」

「ほかならぬ私こそその男だからである。私はイギリスを発見したのだ。」
正統= ★★★★☆
 著者は「世と人を確かなものに作り上げるものは何か」との問題意識にかられてこの本を著した。その答えを、宗教や道徳といった手垢にまみれ、引きつける力を失った言葉ではなく、正統(orthodoxy)というちょっと意外な言葉に結晶させています。

作者は正統(orthodoxy)を「正気であること」と定義し、「荒れ狂って疾走する馬を御す人の平衡」との例を引いています。それは「鈍重で単調で安全なもの」ではなく「危険と興奮に満ちたもの」でした。思いっきって敷衍していえば、「混沌なる世間・頼りなき己心に据えるべき鎮まれる情熱」と言えるでしょう。著者はさらに、正統の現われたるものとして「伝統」を提示します。

ここでいう伝統は、たんなる工芸や芸術といった文化の一側面ではない。父祖達の美意識・誇りや後世への思いといった、先達がハラに培ってきた情念です。

混迷する世間・頼りなき自己、それを確かなものにするには「<正統>なるものとしての<伝統>を感ぜよ。」そう言っているように思えます。 

西部邁氏が序を書いていますが、やや難解な本著の要点をわかりやすく、格調たかく敷衍しています。ここを読むだけでも、清冽な気力が身体に満ちてきます。