インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

生物多様性〈喪失〉の真実――熱帯雨林破壊のポリティカル・エコロジー

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: みすず書房
Amazon.co.jpで確認
政治経済が熱帯雨林破壊に与える影響の本。生物多様性自体は論じてはいませんので。 ★★★★☆
熱帯雨林は多様性の聖域、踏み入ってはいけないという環境主義とはやや異なり、熱帯雨林が元来環境変化相の一面である事、意外と脆弱だが復元力がある(伐採はほとんど影響ない)等に始まるが、むしろ貧困・経済・政治といかに直接的に関連しているかに主眼を置く、多くの環境著書とやや異なるアプローチです。コスタリカ、ニカラグアの熱帯雨林の減少(破壊)の経緯、変遷を例に、熱帯雨林、農地との中間地域、通常耕作地、プランテーション(単相、過剰栽培。この影響力が絶大)、居住生活地域の現地調査を継続して行うなど、やや対象地域が限定された感がありますが、米国の政治・企業の影響力(もうこことの関係で対象中南米2カ国はどうにもなってしまうということでしょうか、この解説は恐いものがありますが)や農地政策、産業政策、経済的貧困、工業化がいかに熱帯雨林の運命に関わっているかなど、淡々と、客観的に、環境主義的思い入れを抑制して論じています。熱帯雨林、生態系の本ではなく南北問題、政治経済問題の著書たる所以です。一方、耕作地と森林の断片的な共存地域、境界地域、例として最近のコーヒー栽培地などでは管理された豊富な多様性が熱帯雨林同様に見られるのでその分析、評価を進めるべきなど最新の管理された農業、林業のモデルに言及。熱帯雨林の減少を事実(人間の政治経済活動の結果として)として受け入れ、最小限の管理された生態系と最大限の多様性をバランスさせ、維持する方向性を提示。生態系、多様性はそれほど単純な話ではないし、未知の部分も多い。また政治経済関係は複雑で簡単に解決策があるわけでない。また主義主張的にもコンセンサスは難しいと認めていますが。