本書は「恋愛短篇セレクション　夏」と副題が付いています。
片岡さんお得意の、都会的でスマートな、やや現実感が薄い
「恋愛短篇」集です。

シリアスな場面がほとんど無いので
電車の中で読むのにちょうど良い感じの作品です。

表紙の写真も片岡さんがお撮りになった写真で
本書の作品の雰囲気と大変マッチしており、良い雰囲気。

本書の「あとがき」で、片岡さんが
「（小説で）リアリティが描き出されることは
まずあり得ない。そもそもリアリティなど僕は目的にもしていない」
と書いておられます。

だから、片岡さんの作品には、べったりするような現実感が無い
さらりとしたスマートな内容が多いのだ、ということが分かりました。

この「あとがき」は、氏の作風がどこから来ているのかがわかり
片岡ファンの人には、必読ですね。

氏の作品は、じっくり読んで深く考える、という読み方よりも
気軽に読んで、都会的なスマートな雰囲気を楽しむ
そのような読み方が似合っていると思います。

特段、心に残る作品でもありませんが、あとがきは必読！　なので
総合評価は、星４つとしました。