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真砂屋お峰 (中公文庫)

価格: ¥820
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論新社
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バブリー!!でもこれは現代のお話です ★★★★★
読み進むうち、江戸時代の話とは思えなくなってくる今日性の高い名著。つまらないものにまでべらぼうな値がつき、目にどぎついだけの中味の薄い文化が蔓延し、一部の強者がとんでもない利益を上げる世の中。長屋に住む貧乏人は、腹黒い連中にさんざ踏みつけにされていることにすら気づかず、目先の景気にだまくらかされて必死に働く。何だ、これって、今だよー・・・って、思えてきます。

そんな時代に生きた、一組の若い夫婦の物語。

子どもに恵まれない焦りと空虚感。人としての矜持を忘れた意地汚い連中のおせっかい。いろんなものに足をひっぱられて、正しいと思う道が歩めないもどかしさ。とことん痛めつけられた挙句、真砂屋お峰が思い立ったことは・・・。

江戸の火事やら衣装比べやら、大輪の花火のような豪華絢爛な描写も魅力的ですが、終章近くの夫婦ふたりの花見のシーンが何より心にしみます。甘くて、はかなくて、静かで、満ち足りて。豪華の乱打に耳が破れてはじめて聞くことができるあたたかな静寂。読書でこれが味わえるなんて、至福です。

江戸っ子でぃ! ★★★★★
この本は、殆ど普通の街中の書店では見かけなくなってしまいました。
残念です。この本を読むと、いわゆる、『江戸っ子の心意気』と言うものが、どういうものなのかよくわかります。

隠れた所に金をかける、地味に見せて実は凄く贅沢にしつらえてある、など、江戸小紋や、関西と反対の関東、というか江戸の風潮は、実は「お上の『町民の贅沢禁止令』から来たんだなぁ、とか、そういうことも書いてありますよ