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乱舞 (集英社文庫)

価格: ¥520
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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連舞(つれまい)の続編。 ★★★☆☆
秋子の夫である日本舞踊の家元の交通事故での即死で幕があける。
艶福家であった夫の残した子供たちをそれぞれに擁立して、次の家元の座を狙う弟子たち。
踊りの天才である妹を擁てて、秋子に対立する母。
日本舞踊の世界における「極妻」の話である。

貫禄と踊りの腕を身につけた秋子が家元となることを宣言し、氾濫分子は分派・分家として切り捨てることで流派の存続は確立した。
が、秋子が次の家元にと心をかけていた夫の愛人・梅弥の子供は死産する。

才と美貌に恵まれながら、短絡のために成功を掴めない妹が痛々しい。

苦労と努力の果てにようやく自らの地位を確立した姉の行く先にも、黒々とした不安が渦巻いている。

作中の流派では猿、ついで雪、月、花が「特別な名前」となっている。「香華」「芝桜」などで主人公の店の名前などで登場した「花」がここにも見える。
芸妓の名前の「梅」の字も、他の作品との共通項。著者にとって「特別な名前」なのだろう。