なかなか良い感じに熟成されてきました
★★★★☆
カナちゃんの説教臭さと、全体のトーンの暗さで評価が低かった本作品ですが、5巻くらい
からようやく「読める」作品になってきた感じがします。カナちゃんは相変わらず説教臭い
ものの、カナちゃん父親エピソード&支配人の過去エピソードが絡まなければ救いがある
ストーリーに成っているし、全体に無理がないように感じられる。
またストーリーが一巡し、過去の登場人物が絡むようになり、1話から読んでいる読者に取って
親近感が沸く、感情移入しやすいストーリーになってきている点は評価できる(このままで
進んで欲しいのだけど、どこかで伏線回収に掛かってボロボロになるんだろうなぁ・・・)。
他方で、今巻のテーマが「カナちゃんの成長」であるらしく、随所にそのエピソードが
出てくるのだが、支配人の「(カナちゃんが)成長したな」との心の中の想いが語られる
訳だが、その場面・・・全然成長しているように見えなかったのですけど・・・。他に
成長が感じられるエピソードはあったのになぁとちょっと残念に思う。
いささかストーリーの構成や展開が雑なところがこの作品の短所でもある。バーテンダー同様
全体に無理のない構成に仕上げて頂きたいものです。