期待したのに
★★☆☆☆
第3巻のレヴューで「ソムリエ−ルである必然性が感じられないのだ。今後は、その点が改善されて、説得力を増していくことを期待したい」と書かせてもらったが、やはり一向に改善されていない。むしろ、そこで述べた「そもそも若い娘にワインを語らせるという設定自体に無理がある」ということがより強く感じられる。本文中にも「小娘」とか「説教」とかいう言葉が散見されており、原作者もカナのキャラクター作りに苦慮しているのを窺わせる。しかし、巻を重ねるごとに、どんどん主人公カナの存在が希薄になっている気がする。なお、帯には『バーテンダー』の第10巻との同時発売を謳っているが、『バーテンダー』とのクォリティーの差は歴然としていて、原作者が同じでどうしてこんなことになるのだろうかと思わざるを得ない。その理由として唯一思い当たるのは「設定に無理がある」ということだけである。
今巻はまずまず
★★★★☆
なかなか評価の難しいソムリエールですが、「カナちゃんお父さんネタ」が出てこないと、
割と安定感があるんだよな・・・。このままで行って欲しいところですが。
全般的にはお客様の恋の話とうまくワインの話が絡む様なエピソードが多く、また前向きで
ホッとする事が出来るものが多かったと思う。
ただ、あまり仲が良くなかったはずのスーシェフと急に仲良くなっていたりするのは、いくら
何でも雑にストーリーを作りすぎではないだろうか?。また、例によって番外編の下品さが
いささか鼻に付く。全体的に良いストーリーで纏まっているのに、非常に残念でならない
(教養講座としての位置づけなのだろうが・・・)。
とは言え、前巻に比べれば圧倒的に「読める」内容となっていると思う。もう少し佐々倉君に
さりげない接客を学んで、奥ゆかしいストーリーに仕立ててもらえると、なお良いのだが。
次巻以降に期待である。