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手塚治虫「戦争漫画」傑作選 (祥伝社新書)

価格: ¥788
カテゴリ: 新書
ブランド: 祥伝社
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これからも生きていける! ★★★★★
 手塚治虫の描く戦争は、それがおぞましい戦争であるにもかかわらず、どこか可笑しい、なぜか笑える。いやな戦争だからこそ、いっそ笑い飛ばしてしまおうというものではない。たしかにそこには悲しい出来事が、よりむごたらしく描かれている。敵を殺すシーン、銃撃されるシーン等々戦争で人が死ぬシーンは他の手塚作品で人が殺される場面には見られないむごたらしさがあるのではないか。
 しかし、そんなにもむごい戦争を描いても手塚の戦争漫画はどういうわけか、読んだ後味、読後感が悪くないんだなあ。

 手塚は「こんな戦争早く終わってしまえばいいのに・・・・・。」と、この前の戦争のあいだ終始思っていたはずだ。
「紙の砦」で、終戦の日、手塚の分身のような人物は「ウワー、ウワー、終わった、終わった、ぼくは生きているぞ、生きのびたんだーっ」と叫んでいる。手塚の本心であり、多くの日本人の本心でもあったのだろう。
体験手記の枠にとどまらない奥深さ ★★★★☆
戦争体験者としての手塚ならばもっと戦時下の日常生活の直接的で詳細な記録を
最初は期待して手に取ったが
怪奇ものや民間伝承などとミックスしたストーリーにして戦争のむなしさを
伝えるマンガだった.
美女とのデートをおしゃかにしてでも食べものを優先.時代だな.
新書でマンガだと量がすくなすぎるな.

まじめな手塚治虫 ★★★★☆
この作品は手塚さんが戦争中に体験した話をマンガにしたものです。「鉄腕アトム」や「ブラックジャック」など有名作品に比べて、かなり異色のマンガだと思いました。
私は一話目が一番印象に残っています。戦争中に皆が殺気立っている中で少しでも笑顔を増やそうとマンガを描き続け、初恋?もする少年とそれを拒むかのように激化する戦争。理不尽です。それでもめげずにマンガを描き続ける少年の根性が熱かったです。
平和ボケ時代に生まれた私は戦争の「愚かさ」を経験された方からすれば全く理解していない人間です。しかし、この本を読んで戦争の「愚かさ」を少しでも心に刻むことができたと思います。戦時中ではない時代の日本に生まれることができたことを幸せに感じることができました。
手塚の想い ★★★★☆
久しぶりに手塚の漫画を読んだ。

しかも、読んだことのないものばかり。ここに描かれているのは手塚自身の戦争体験を下敷きにした話(主人公の大寒鉄郎(おおさむ)は、もちろん手塚治虫(おさむ)から来ている)から、ナチスの話、聊斎志異のような怪奇譚を戦争に絡ませたものなどと多彩である。

ちょっと前までは漫画といえば少年誌が主体だったので、この短編集も初出はみな少年誌である。つまり、手塚は子供達にこれらの話を読ませたいと考えたわけだ。子供でもとっつきやすいような導入から話を始め、戦争の悲惨さ、不条理さをきちんと描ききる。手塚が子供達に伝えようとした、その思いに、泣ける。

なお、『女郎蜘蛛』では戦争画(戦時下の画家達が戦意高揚のために描いた絵)について触れてあったり、『処刑は3時に終わった』では無慈悲な殺戮を行った者に、自分自身の死をつぶさに見せ付けるという罰を与えるという設定など、個人的には興味深い点が多々あった。
戦争への嫌悪と憎しみが、痛いほどに伝わってくる短篇漫画集 ★★★★☆
 戦争の醜さ、悲惨さを自伝風に描いた話が多かったですね。人間の尊厳と自由を奪う【戦争】を嫌悪し、強く憎んだ作者の思想が、赤裸々に描かれた作品集。それぞれの作品で印象に残ったところを、スケッチしてみました。

■「紙の砦(とりで)」(1974年初出)・・・・・・主人公・大寒鉄郎(おおさむ てつろう)の、「だれのせいだよ・・・こんな戦争」の台詞が忘れられない。
■「新・聊斎志異 女郎蜘蛛」(1971)・・・・・・蜘蛛奇譚の佳品。主人公の画家の、「戦争が正義なんですか?」の台詞が重い。
■「処刑は3時におわった」(1968)・・・・・・収録作品中、唯一のナチスもの。手塚治虫の名作『アドルフに告ぐ』を未読の方は、そちらもぜひ!
■「大将軍 森へ行く」(1976)・・・・・・「正義の軍隊なんて、どこにもいない!」の台詞が、胸に残る。
■「モンモン山が泣いてるよ」(1979)・・・・・・白木の箱の中にただ一枚、【英霊】と書かれた紙が入っているコマに、ショックを受けた。
■「ZEPHYRUS(ゼフィルス)」(1971)・・・・・・周りから白い目でにらまれながらも蝶を追う少年の姿に、まぶしいものを感じた。
■「すきっ腹のブルース」(1975)・・・・・・終戦直後の日本を舞台にした作品。漫画の仕事を依頼された主人公・大寒鉄郎の、「一日に百枚ぐらいかきますっ」の台詞から、手塚治虫の強い意気込みが伝わってきた。