初級ファン向けのテーマ別アンソロジーですっ!
★★★★☆
この本には、人類の環境破壊に警鐘を鳴らすというテーマをもった手塚治虫の読みきりマンガが七篇おさめられています。
わたしは子どもの頃から手塚マンガに親しんできた世代なので、それぞれ『ブラックジャック』『ザ・クレーター』『鉄腕アトム』の親本で以前に読んだ作品ばかり。
はじめて読んだのは「白縫」と「海の姉弟」の2篇のみ。
でも、こうやってテーマ別に一冊にまとめたアンソロジーを、あらためて読みかえすのも悪くない。
ストーリーテラーの手塚だけあって、素材がヴァラエティーに富んでいるから単調に陥ることがない。空き時間にサクッと読んで余韻に浸ることができる。
マンガの場合、文庫本よりも新書判のほうが、画の訴える力がつたわってきて読みごたえがあるのではないかしら。
いしかわじゅんの解説がついています。
蛇足かもしれないけれど、39頁と197頁のネームに一個所ずつ誤植がありました。
増刷のときに、ちゃんと訂正してもらいたいものです。