古代ギリシャの「心の習慣」、ルソー・中江兆民の「精神の自由」、丸山眞男の「主体」などへの考察から、人の生き方と民主主義との深い関係について考えさせられます。

～著者は民主主義の根本的（radical）な部分に注目し、その理念的部分を「デモクラシー」と、民主主義とは区別して呼んでいる。本書はこの点を念頭に置き、民主主義が新たな変革を迫られる中で、どのようにデモクラシーの理念を生かして行くかを論ずる。S・ウォリンの議論を生かしつつ、著者が議論しつづけている、「ラディカル・デモクラシー」や「パトリア主義」～～へのイントロダクション的役割も果たしている好著である。～