その博覧強記ぶりに圧倒される
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ページをめくればムカデ、ゴキブリ、クモなどなど、想像しただけで舌の付け根が収縮しそうな「食材」の名前が並ぶ。
どの食材も、おそらく死ぬまで一度も口にすることはないと思うが、筆者のチャレンジ精神のおかげで、味の仮想体験が出来ることが素晴らしい。
昭和一桁生まれで、戦後の混乱期を闇市で過ごした私の父は、「食えるものはとにかく何でもいろいろ食ったが、ネコだけは勘弁」と常々言っていた。この本ではネコは不味くはないらしいので、調理法や素材の栄養状態によっても味が異なってくるのであろう。
本書を読んでいると、食中毒や衛生管理等についてのコメントが丁寧に記載されており、非常に配慮が行き届いているように感じられ、この点好感度が高い。
極めてマニアックながら、非常に資料としての価値は高いと思う。
増刷版も買いました
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96年の刊行版を購入し、その内容に魅せられ、寝る前に読む愛用本と化していました。
既にレビュアーの多くの皆様が書いていらっしゃいますが、参考になる情報もたくさん
載っているのですよ。
肝心の調理シーンは、エグ過ぎず、サラッと書いてあるので、私はぽよーんと読めます。
愛用し過ぎて、96年版がちょっと傷んできたので、増刷版も購入しました。
ゲンコツ堂さん、お元気そうで何よりです。
相変わらずっぽいコメントで笑わせて頂きました。
人間って、凄いですね。
★★★★☆
と言うか、食料としての昆虫・その他の哺乳類を食べるという事は自然なのですね。
この作者は、正に自ら実行して成果を書かれています。
この本の内容に対して、異論もあるでしょうが否定も出来ないと思います。
さ、貴方はどう対処・・・・・・?
若干の訂正
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1996年版刊行当時、「増刷の際は誤植の訂正を」との口約束を交わしていたのだが、ちょっとした行き違いから、ほとんど訂正されないままの2005年版となってしまった。
次回の増刷は何十年先になるか知れず、とりあえず、当時チェックできなかったキャプション等に関し、勝手ながら、この場を借りて、若干の訂正をさせていただく。
P6(カラー)誤・トンボの唐揚げ 正・トンボの塩茹で
P7(カラー)誤・ランチュウの唐揚げ 正・オランダシシガシラの唐揚げ
P8(カラー)誤・蛤土…… 正・蛤士……
P8(カラー)誤・ホットドック 正・ホットドッグ
P185 誤・右から 正・左から
上記のもので全てだとは言わないが、参考文献の「中央口論社」などは、「これはこれでいいか……」などと思ってしまう。
また、ゲンゴロウの体長が「40cm」から「40mm」に縮んだのには、ホッとさせられた。まあ、40cmの方が食いではあってよいのだが。
なお、著者としては冷や汗ものの本書に、「おすすめ度」星五つはどうかとも思うのだが、「おすすめ」しないのも、無責任なようで申し訳ない。恥を忍んで「おすすめ」させていただく。
著者の誠実な料理人魂に脱帽
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この世に存在するいかなる生物を食材とするか。
そこには,多分に習慣と偏見とが介在する。
著者は,そうした縛りから自由な誠実さをもって,様々な「生物」を調理し,味わってゆく。
圧巻なのは,著者の調理技術と味わい方が深い経験と知識に裏打ちされていることである。
素材の味を活かすか,とりあえず食べられる味に仕上げるか・・・。
美味を探求するためには,採集してきた生物を数日間絶食させて糞を排泄させたり,新たにエサを与えたりして味の差を試すあたりは,脱帽もの。
自分の姿に冷静な突っ込みを入れるがごとき脚注の数々も読みどころです。