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奇食珍食 (中公文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論社
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すべては処女作にあり ★★★★★
小泉センセーの本業は発酵学である。酒、チーズからクサヤまで、私たちは「発酵」のお世話になっているのに、発酵についてはあまり知らない。そんな発酵学をやさしく解説してくれる小泉先生の本は実に面白い。そんな「小泉本」の原点はこの本あたりにあるのではないだろうか。小泉教授の処女作かどうか分からないが、初期の作品である。発酵だけでなく「食いしん坊」小泉先生の片鱗がこの本にうかがえて、面白い。初々しかった小泉センセー、最近は同じようなネタ、同じ話を何回も使ったりと、「年増」作家になってしまった。この本あたりの「原点」を思い出して欲しいものだ。
奇食珍食は人類の叡智である ★★★★★
民族・文化・環境が複雑に交じり合い、凝縮されたものが「食」に反映されていることを本書を読んで深く納得した。蝉や蛭、幼虫、蛹など、人間がこれまでに食べてきた虫を紹介する章では、生理的に腰の力が抜けてきたが、簡易に動物性蛋白質を摂取できるスマートな方法だったのである。ラクダの瘤、猿の脳味噌、鶴、家鴨の水掻きなど唖然とするような食材が登場し、頭がクラクラしてきたが、人間の食に対する貪欲さ、尽きぬ好奇心、知恵の結晶をそこに見ることができる。医学が現在のように確立する前は蛇の血、臓器などを食す「薬食い」、蛆虫や蜥蜴を漬け込む「薬用酒」などが人間の健康に貢献してきたのである。食の世界を知ることは、人間を知ることでもあった。
食欲はそがれる ★★★★☆
 虫、爬蝶類と両生類、軟体動物・腔腸動物、魚、鳥、哺乳類、灰、奇料理・珍料理、奇酒・珍酒という章立てがすべてを物語っている。蛭のソーセージ、ヘビトンボの幼虫、ウミヘビなど我々が敬遠しがちな食品(?)が次々と紹介され、食欲をそがれること請け合いである。しかし実際にどんな味がするのかとか、どんな歯触りなのだろうかなどと、生々しい想像をせず、興味本位で読み進めていく分にはこれ以上ないほど面白い。