失花園
★★★★★
久しぶりに小説を読んだ感じがしました。
内容は、ちょっと薄気味悪い感じもしましたが、とても四人の女の子の成長する感じがして面白い話です。
特に最後のガーデン・ロストはかなりいい話でした。
なんだかわかりませんが、最後のあとがきを読んで、初めてこの本が終わったって感じが自分ではしました。
読んで損はないと思います。
ふと思ったのですが
★★★★☆
この人に短編書かせてみたらよいのでは?
内容は他のレビューを参考にしてもらうとして
ミミズクからこの作品までずっと読んでいて思っていましが、
平坦だけど心に響くような文章とストーリー。
テーマや発想はいいが、ちょっと全体的に荒が目立つ。
こういった人って短編書かせたら結構いい作品書く人いますよね。例を上げるのもあれですが乙一とか。
まあ、一読者としての願望みたいなものなんでしょうが一度、著者の短編集とか読んでみたいものです。
「あの頃」を思い出した。
★★★★★
旅行にいく時、飛行機で読むために何冊か購入した本のなかの一冊でした。
作者のことはなにもしらず、イラストに惹かれて手にとったのだと思います。
結局、飛行機では読まず、旅行後落ち着いたときに読んだのだけど。
少し自分の過ごした高校時代とは、たぶん、5〜6年ずれてはいるけど、
あの頃の空気感みたいなものを思い出しました。
あたしにとっての放送室は、図書室でした。クラスも、学年も、コースも
ばらばらな女の子たちと、毎日のように集まっては、だべってたなぁ。
みんな大好きだった。あんなにみんな一緒だったのに、ずっと会ってないな。
最後の章のマルの言葉で、ちょっと泣いてしまいました。
「あの頃」には戻れないけど、あの今よりもっと感情をもてあましてた頃の
あたしを少し思い出せた作品でした。
つながれた手と手のぬくもり
★★★★★
綺麗に生きられたらどんなにいいだろう。
傷つかず、汚れず、まっすぐに人生という道を歩いて行けたなら。
でも、現実は容赦なく、無慈悲に私たちの心を傷つけ、犯していく。
辛い。
苦しい
悲しい。
でも、死ぬことはできない。
死ねないならば、生きなければいけない。
痛みに耐えながら、無様に這いずり回ろうとも生きなければいけない。
この作品は、そんな現実のなかで足掻く四人の少女の姿と、おぼつかない足取りで人生を歩き続ける彼女たちの足下を照らす淡い光、そして、四人をつなぐぬくもりが書かれた傑作。
つながれた手と手で混じり合う彼女たちの体温を、“ひとり”ではないという証明のぬくもりを、この作品を読む多くの人に、感じて欲しいと思います。
文学?
★★★★★
書店でジャケットのイラストに惹かれて、今回はじめて紅玉いづきさんの小説を読みました。
ファンタジー系のライトノベルは良く読んでいましたが、今作は現代を舞台、というか日常を描いた作品ですね。こういうのは初めてかもしれません。
高校生の、なんというか本当にどこにでもいそうな高校生達の話というか……。
私は読んでいて、分ける必要もないのかもしれませんが、これは純文学の作品みたい、という印象を持ちました。
主要登場人物が4人の女の子でって、らき☆すたみたいですが、ほのぼの系ではありません。
もっと切実な、我々と同じに頑張って生きている、女の子達のお話。
紅玉いづきさんを応援したくなりました。癖になる小説家のような気がします。