胸がいっぱいになる初恋、さわやかなセクシー、深刻すぎない謎、かわいい愛犬。私はおもしろかったです。

サラは性格がピュアで素直だなーと思いました。
ヒーローに対する気持ちがまっすぐで、自分にとても正直です。彼女の一途でいさぎよい想いに心打たれました。
26歳のオールドミス（若いですよね）という決定ですが、動物たちとピクニックに行ったり、犬を人間扱いしたり、十分女の子です。
ヒロインと友達（ひとりは姉）との友情も楽しいです。彼女たちのガールズトーク「完璧な男性」は、いかにも世間知らずの女性らしくてほほえましいですよ。

マシューの決断がなかなかこなくて途中ちょっとじれったかったけど、決断した時は拍手でした。彼も人間の本質を見抜く素敵なヒーローです。ヒーローの友人もかっこいい！

機内で読むために購入。割合とあっさりと読めてしまいました。
内容は、予定調和の、ハッピーエンドがある程度約束されているもので、それなりに安心して読めました。しかしながら、殺人まであったのに、結構謎や秘密は深いものではなく、あっけなく解けてしまい、若干肩透かしをされた感じがします。
ヒロインの気持ち・容姿・性質などはとても丁寧に書かれていて、感情移入しやすいです。だからラブロマンスのところは、比較的納得して読み進められました。
ところが、せっかく上流社会を扱ったヒストリカルロマンなのにもかかわらず、訳のところどころに、時代や雰囲気に合わない言葉が選択されていて、その度に違和感を覚えました。シリーズ化されているようなので、次作からはもう少し丁寧に語彙を選んで欲しいと思います。

ヒストリカルの魅力の一つに、その時代の社会規範に縛られながらも、それに負けない芯の強いヒロインだったっり、ひたむきなヒロインの姿があると思いますが、ちょっと間違えると、ヒロインの言動が時として好感を持てない極端なものに思えることがあります。
本書のヒロインもそんなところが伺えてしまいました。友人たちとのちょっとした悪戯のため、ヒーローの部屋に忍び込み、シャツを盗み出そうとします（ついでにヒーローの入浴シーンも覗いてしまいます）。それをヒーローに見咎められると、ヒーローに対して帰ってきたタイミング悪いと強弁するのですが．．。
後半に向けて、ヒーローを助けて活躍はするし、印象は大分良くなるのですが、どうも最初の印象が今ひとつでした。怪しい庭師の行動や、悪役もなんとも呆気ない終わり方ですし．．。
脇役たちも、今後のシリーズで活躍していくようですし、次作のカップルを伺わせるようなシーンもあるのですが、その印象も少々弱い気がします。
悪くはないのですが、作者のさじ加減の難しさを感じた作品でした。