風の中で
★★★★★
何冊目かに手にした銀色夏生さんの詩集。この方の本は他にも何冊か購入していますが、この<あの空は夏の中>が一番好きです。セピアに色褪せた夏の風景が続いていく中に、後ろ向きではないけれど淋しげな切ない詩が綴られて行く。いろんな表情を持つ涼しげな景色を眺めながら、そっと秘密の花園をぬすみ見たようなときめきがある。
【天使の真顔】が印象的でした。真夜中という閉じられた特別な空間で交わされる言葉なき会話…道ならぬ恋なのか、苦しい想いが強く伝わって来るようでドキドキしながら繰り返し読んだ。 他にもリリックで美しい詩ばかりがあふれています。ぜひ瑞々しく輝きにあふれた世界を覗いてみて下さい。