甘いかも知れませんが、私はハンター・ファンですから
★★★★☆
やっと出たか、ひさしぶりと思って読んだのですが、読み進むにつれ腑に落ちないことがありました。ボブがなんとなく歳をとっている。7歳で日本人らしい養女「ミコ」が家族に加わっている。日本刀で臀部を斬られたらしくびっこをひいている。なんだか変だと思いつつ読み進めて解りました。どうやら、シリーズを一話読み飛ばしてしまったらしい。そう『四十七人目の男』(47th Samurai )を読んでいないのです。なんたる不覚。一旦、読書を休止し『四十七人目の男』を読むべきかとamazonを検索したのですが、そこのカスタマーレビューがふるいません。というか、酷評されています。目を疑いたくなりました。わたしの大好きな作家、スティーヴン・ハンターがこんなに酷評されるなんてことがあるのだろうか? しかも人気シリーズボブ・リー・スワガー・シリーズだというのに・・・・? しかし、カスタマーレビューに書いてあることももっともな様子です。「ボブ・ザ・ネイラー(Bob the Nailer)」に銃を持たせず刀を持たせてはいけません。チャンバラなどさせてはいかんでしょう。読まずに飛ばしたことが幸いだったのかも知れません。と云いながら、結局読んでしまいそうな自分がいるのも事実ですが・・・・
さて、本作『黄昏の狙撃手』です。『極大射程』や『ブラックライト』ほどの緊迫感と高揚感は無いものの、それなりに楽しめました。ミステリとしての仕掛けはそこそこ良い線をいっています。しかし、ガンファイトにおいてはボブが強すぎるのか、相手が迫力に欠けるのかハラハラ感が若干不足。総合して5点満点の4点といったところ。4点は甘いというご意見もありそうですが、わたしはハンター・ファン。それ以下の点をつける気はありません。(笑)
スティーブン・ハントどうした?
★★☆☆☆
くろくまさんのレビューを見て読むのをためらったけども、また、あのボブ・ザ・ネイラーの世界が忘れられず、買ってしまった。その結果は、残念!の一語。まるで漫画の世界!突っ込みどころ満載!(最後まで期待しつつ読んだが)
冒頭のカーチェースの部分は引き込まれるもののあの「極大射程」の世界はもはやなくなってしまったのか!
訳者交代!
★★☆☆☆
最初にお断りしておきますが、まだ上巻しか読んでません。
それなのに、なぜレビューしたかというと、あまりにも日本語訳がヒドイから。
訳者の公手成幸さん、最初にスワガー作品を訳してから10年以上のベテラン?で、10年前の「ブラックライト」や「狩りのとき」には迫力ある翻訳が作品を盛り上げてたのに、ボブ→アールへと作品を重ねるごとに翻訳のレベルが下がっていくってのはどういうこと?
今作品では、完全に日本語訳が作品そのものの足を引っ張っていると言っても過言ではない。
出版社も、気づいているのに目をつぶっているのか?、はたまた気づいてすらいないのか?(誤植も目に余るほど)その点は訳者と同罪。
それでなくても、初期の圧倒的な面白さがパワーダウンしてきているシリーズなんだから、このうえ翻訳までがそれに拍車をかけてどーすんだっちゅーの!
くろくま書店
★★☆☆☆
アール&ボブ・スワガー親子の物語。
極大射程以来のファンの私としては、大河ドラマの風格もあったこの作品群が、回を追うにつれて陳腐な駄作と化していくのを見るのは辛い。シリーズとして品質を保ち続けるというのは、作家にとっても本当に大変なことだとは思うが。
ストーリーに惹きこまれるものがない。たとえフィクションとわかっていても、ついついボブ・ザ・ネイラーの世界に引きこまれてしまうだけの魅力が、これまではあった。もはやそのような臨場感はない。
日本語訳も相当に低レベルである。5行も6行も句点がないなんて、とても読めたもんではない。まったく意味を調べずにそのまま日本語に訳しただけの単語も頻出(円形馬場ってなんだ?)。ワープロミスもある(疾走と失踪を間違えたりしている)。訳者だけでなく編集者の責任も大きいと思う。もうちょっと真面目にやって欲しい。
老兵ボブはもう引退した方がよいのではないか。私が、読み飛ばしていた前作の日本編を買うことはないと思う。
<ボブ&アール・スワガー>劇場第9弾! 衰えを知らぬボブのガン・ファイト
★★★★☆
スティーヴン・ハンターの<ボブ&アール・スワガー>劇場第9弾!
テネシー州の州境にある町ブリストル。当地の新聞社で若手女性記者として活躍するボブの愛娘ニッキが、地元で蔓延する覚醒剤汚染の取材を終えての帰路に、正体不明の殺し屋に車の体当たり攻撃を受けて意識不明に。報せを受けたボブは単身現地に飛んだ。アメリカ最大のモータースポーツ・カテゴリーであるNASCAR(ナスカー)の最高峰、スプリントカップ・カーレースを間近にひかえ、沸き立つ町で、ボブの調査が始まる。ニッキは取材中に一体何をつかんだために襲われたのか・・・。
かつてボブの父親アールが『悪徳の都』で死闘を演じたグラムリー一家の末裔が悪役として登場し、カーレースに臨んで大仕事をたくらんでいるらしい。前作『四十七人目の男』で、日本で刀傷を負い、髪も灰色となってしまった60代のボブは、一歩一歩その目論見に近づいてゆき、自らも狙われることになる。
本書では、グラムリー一家と謎の殺し屋、そして結末に現れる意外な黒幕と、ボブ・リー・スワガーとの、その年齢を感じさせない壮絶なカー・バトルやガン・ファイトを存分に楽しめる。
舞台設定といい、主役をも凌駕するほどの悪役といい、その犯罪の大胆さといい、本書はかつてのサーガ的色彩の強かった<ボブ&アール・スワガー>シリーズの“その後の・現在の”ボブを描いた一大アクション・エンターテインメントである。