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必要悪 バブル、官僚、裏社会に生きる

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 扶桑社
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義理と人情に包括される必要悪 ★★★★☆
田中さんの反転を読んで興味を覚えた。貧乏 地方国立大 検事 弁護士 被告 現在東京拘置所に収監 本書出版時点では控訴中。
宮崎さんとの対談をテキストにしている訳だが、バブル期の人間模様が実にあからさまに描かれている。本書では田中さん自身の事件に関連する部分と言うよりは、時代の中で蠢く金とそれに群がる人間模様でしょうか。
そこには義理人情でおり合いを付けていく表と裏の社会。表の政治と裏の政治、光があれば陰が出来るという普遍的な社会構造の中で一人勝ちの無い日本的風土が感じられます。そこがITバブルでのホリエモンや投資ファンドの一人勝ち的なこれまでに見られない新しい姿なのでしょう。
裁判や著作から鈴木宗男、佐藤優と言う被告人が己の利益のみのために動いたのではないという印象を確信した多くの日本人が感じたように田中森一さんも彼らと同じ色をした人間であるのだろう。
義理と人情と言う文脈に必要悪が包括されているのである。
宮崎氏主導の本。田中氏の良さが出ていない。 ★★★☆☆
この対談は宮崎氏の部分が多く、同じ田中氏の対談本「バブル」のほうが、田中氏のザックバランな人となりがよく出ているように感じる。

宮崎氏は博学であるが、あまりに話の流れをつくりすぎるので田中氏も「そうやろね」などど相槌を打つ場面が多く見られる。

ただし、話の精度としては「バブル」よりこちらのほうが高いように思う。
田中森一氏にプロとしての姿勢を学ぶ。 ★★★★☆
 まったく知らない世界をこの本で知りました。もっとも、私が知らないだけで、世の中の権力と金が集まるところでは日々、切った張ったがあるのでしょうが…。つくづく自分がモノを知らない小市民であることを思い知らされます。

 本書でかなりの分量が割かれているバブル期の金回りの話には唖然としました。私は当時、小学生か中学生だったので、バブルというものを肌で感じることはありませんでした。しかし、バブルの真っただ中に何憶という金が手元を行き交っていた人々の話には実感がこもっていて、その狂乱した景気の雰囲気と、一方で背筋の凍るような恐怖とを感じました。宮崎氏が「「所詮カネで動く人間なんて駄目なんだ」とか思ってたんです(中略)ところが、バブルというのは、その考え方を根本から変えるんです。(中略)カネで動かない人間のほうが嘘をついているんじゃないかと思い始めました(P.65-66)」という感想を述べておられますが、桁外れの大金の前では人の価値観は往々にして壊れるものなのだということが私にも何とはなしに分かりました。

 田中氏の話で「なるほど」と思ったのは、プロとしての身持ちの固さです。田中氏は環境設備メーカー・タクマの顧問弁護士として、仕手戦を仕掛けてきた相手と相対します。相手が田中氏を買収しようとし、女に誘わせて弱みを握ろうとします。最終的に、田中氏は全ての攻撃を防ぎ、顧問先を守り切ります。「とにかくワシと寝させて、なんでもええから弱みを握って、ワシをタクマから引きずり降ろしたい。あの先生がいなかったら、なんとかなるんだけれども、と。なんでもいいから、スキャンダル作ってなんとか引きずり降ろしたいと(P.212)」という田中氏の感想から透けて見える争いの激しさにはゾッとさせられます。同時に、プロとして自分の身を守るにはとにかく身持ちを固くしなくてはいけないということを教えてもらいました。
3冊の中ではお気に入り ★★★★☆
ほぼ同じ時期に素材”田中森一”を料理した本3冊。

「必要悪」(宮崎学)、「バブル」(夏原武)、「検察を支配する『悪魔』」(田原総一郎)
「反転」の読者としては、この中では宮崎さんのインタビューが一番面白かった。
「反転」とのダブりはモチロンある。
しかし、それでも、宮崎さんが、自分の思うところを述べながら、田中さんの考え方を引き出している。

”人権派弁護士について”の章では、”人権派弁護士で検察から嫌われるようなのは、それだけ実力がある。「あの弁護士はいい弁護士」というのは検察が半分舐めている。「何もしないだろう、調べなくてもいい。」と検察で判断する。大半の国選弁護は、面会に1回も行かないで公判廷でも一事「然るべく」というのが現状だ。その中で、光市の弁護団に対して、全部無償でやっており立派である。

弁護士の社会に対する説明責任については、「弁護士は法廷でしゃべればいいんであって、マスコミに何故説明しなければならないのか。」「マスコミ相手の裁判をしているわけではない。光市弁護団は、法律家から見たらあっぱれだ。」
「社会的説明責任があるのは、政治家や官僚に対していえることであり、刑事弁護人に対しては成立しない。」
良識ある見解を明確に述べている。

”今のバブル長者に足りないもの”の章では、
バブルの頃、日本中のロマネコンティが永中に買い占められたという話から、ホリエモン、村上の話に。 
最後の方には、「植草一秀」が逮捕された時、
「実は村上ファンドの設立当初のアドバイザーが植草さんだった。村上ファンドはほとんどが植草の人脈と経済分析で成立していた。植草さんがパクられた時、最初に村上に連絡をとろうと思ったらしい。そうすれば村上は弁護士を付けてちゃんとやってくれるだろうと思ったんでしょう。でも村上は、僕はそんな人とは。。。。。」「関わりたくない。」

田中さんとその時代をもっと知りたい人にお勧め。

えっつい拝