インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

女坂 (新潮文庫)

価格: ¥529
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
Amazon.co.jpで確認
明治期の女性の生き方を凄まじい筆力で描く傑作 ★★★★★
主人公の倫(とも)を中心に、須賀、由美、美夜、悦子、瑠璃子たち……明治期の女の物語。
倫は激情を厚い氷の下に落としこんで生きてきた。夫の行友(ゆきとも)に仕えながらも生々しくわきあがる嫉妬。倫はそれら全てを心中にしまってきた。こうして溜められたエネルギーは結末近くの二人の白刃のごときやりとりにつながってゆく。
私が一番好きなのは、倫が独りで坂を登る場面。闇と光、冷たさと暖かさ、絶望と希望の交錯。ここは倫の道行きに見える。
刊行は昭和32年。半世紀前の作品のため文中には初めて聞く風習や言葉も多いが巻末に注解が有るので不便はないし、むしろ知の幅が広がる。素直に著者の違う作品も読んでみたいと思わせる凄まじい筆力。第10回野間文芸賞受賞作。
衒学的でない生きたコトバの重み ★★★★★
なんでこれが絶版?なのでしょうか・・・
どうでもいいつまらない本が氾濫する傍ら、このような本が
ことごとく文庫でさえ入手が困難になる状況。溜息がでます。
江藤淳氏が評するように、今では殆ど意味のわからないような
言い回しや風俗への叙述も、借物でない肉化した言葉として
独自の触感を与えます。


以下書評から転写 ★★★★☆
好色家の夫に、妾探しを命じられた妻。
それを自分の立場を重んじてくれた信頼と受け取り、奔走し、
ついに二人の妾と共に、同じ屋根の下での生活がはじめられた。
ひたすら忍従と孤独の人生を送る女主人公の生き方を、暗い封建制が
色濃く支配する明治時代の家庭を背景に、完成まで八年の歳月をかけた
作者の円熟した筆が描ききる。
現代文学の最高傑作の一つと高い評価を得る、著者入魂の名編。
第10回野間文芸賞受賞(昭和32年)

以上社評から転写