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うつ病の心理―失われた悲しみの場に

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 誠信書房
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うつ病があふれている・・ ★★★★☆
うつ病が、めずらしくなく、町のクリニックに沢山のうつ病患者があふれる時代、しかし、病気としての憂うつというものはどういうものか、それをきちんと説明している書物は、まず見かけません。その、めずらしく、また深い洞察に裏打ちされた書物がここにありました。著者はもともと精神分析学派の方のようで、その用語が頻繁に使われますが、門外漢にもわかりやすい記述になっています。本当のうつを知りたい方、またうつ病が現わしている人間の本質を知りたい方は、ぜひこの本をお読みください。すぐに何かの役にたつ情報が書かれているわけではありません(うつ病患者の感情状態への無感覚、回復期に見られる要求が多くぬけぬけとした状態など臨床上の多くの所見が記されていて、それはとても参考になります)が、うつ病に苦しむとはどういうことか、それはどのような人間的な意味をもつのか、その実相が如実に描かれています。
最近流行の認知療法について、うつ病の精神療法の断念から生まれたとの指摘はなるほどと思いました。
若い精神科医におすすめです ★★★★★
一般書として読むには難解な面もあり、あまりオススメしません。
本書は大学医局でDSMという診断学から精神医学を学んだ若い精神科医に是非読んで欲しい。
1970年代の難解な精神病理学とは異なり、分かりやすく書かれているが、背景には構造主義的な面やラカン派の理論が繰り広げられ、一方で人間学的・現象学的な描写がなされている。

患者さんを診察し、そこから導き出せる精神病理。
教科書の通りのことが診察室で起きるわけではない。
シンプルかつ緻密 ★★★★★
精神科臨床のフラット化を憂慮されての書。前著から約2年。論考はさらに切れと緻密さを極めつつ、折々そのシンプルさにハッとさせられる。一見して捉えられにくい患者の心理の機微に触れていることが表れていると思われる。「うつ病新時代」のその先が気になる方、大変お薦めです。