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蜜月 (新潮文庫)

価格: ¥460
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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蜜月に溺れる幸せ ★★★★☆
主人公の環と、こうも簡単に恋に落ちるものかい?
と、やっかみたくなるのでありますが
それが恋の不思議ですよ、と、小池真理子さんはおっしゃるのでしょうね。

6人の女性の6人の恋の形、それぞれに対して
幸せな恋、不幸な恋、周囲から見るといろいろ見方はあるのですが
恋の蜜月は「落ちたものが勝ち」
そのような気にさせられるのが、この本です。

女性に対してふてぶてしい環の言動なのに
なぜか、いやらしさや不潔感が見えてこないのは
洗練された小池真理子さんの文体ならではだと思います。

読んでいて、男として主人公の環に嫉妬心が沸いてくるので
星は4つ、としました。
(我ながら、心が狭い・・・・・と思うのであります)
恋愛に決まった形はないのだ ★★★★☆
初出は1998年新潮社。
44歳で逝った天才画家と愛を交わした6人の女性たちの物語。
形無き恋愛の中に小池さんの欲望が感じられる。小池さんは自著で、惚れる男がいるから生きている、と言うような文章を書かれている。
100人の女がいれば100の恋の物語があるのだが、一人で沢山の恋の物語を演じる小池さんがこの物語に見える様だ。モラルとか世間とかと言った文脈はそこには見えない。
良いか悪いかなどという単純な2者択一はありえないのである。
独特の透明感が良い ★★★★☆
小池真理子さんの物語には、綺麗な男がしばしば登場しますが、この物語もやはり綺麗で退廃的で才能あふれる芸術家を中心としたものです。短編集のような構成ですが、この男に関わった6人の女たちのそれぞれのエピソードを6つの短編に仕立ててあります。各々の女は、男の死のニュースを知り、その男と過ごした非凡な日々をフッと思い出すのだが、それは自分の歴史の1ページに過ぎず、もはや現在の生活に何ら影響をもたらす訳でもない・・・。どの物語も小池真理子さんらしい独特の透明感がある素敵な描写で、読んでいると耽美的な気分になってきます。
私の中の久々のヒット作品 ★★★★★
良かったです・・・1日で読み終えてしまうほど引き込まれた小説でした。しばらくこの本の余韻に浸っていたかった。

有名画家、環を思うと切なくて切なくて・・・やはり基本的に男性より女性の方がタフなのかしら?環に惹かれ彼と恋に落ちる6人の女性を通し10代から40代までの環の人間像が見えてきて私の心を惹きつけて離しませんでした。屈折・失望・・有名であるが故の悲しみ。本当はニヒルな笑顔の奥に潜む壊れれやすく傷つきやすい環の心・・・一見華やかな世界に身を置きビジュアル的にも美しい彼を誰もが羨み羨望のまなざしで見つめるがその裏に潜む華やかな業界の真実はもっとドロドロしていてその中で葛藤しながらも一番にひたむきに貪欲にひたすら真実の愛情と癒しを求めつづけていたのは環ではないだろうか?切なくて、でも美しい恋愛小説でした。

痛々しくて綺麗・・ ★★★★☆
 1人の男性の死へ向かっての道筋に、関わっていく6人の女達。彼女達は、主人公の年齢に伴い10台から40台までのその年齢に特有の初々しさ、奔放さ、包むような優しさに満ちている。この上なく美しく、才能に溢れながら常識人では想像もつかない性格と行動を備えた彼の元を、彼女達は皆自ら離れていく。彼女達の心情が、日常生活の中にさらりと描かれるがゆえに共感できそう。
 彼、環の心理はその行動によってしか想像できないところが歯がゆくも、最後のあっけない死を益々痛々しくさせる。女性作家ならではと感じさせる。こんな男性に一度お目にかかって見たい!が率直な感想。