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滅びのモノクローム (講談社文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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   骨董市で買った古い釣り用リール。それと共に入手した柳行李(やなぎごうり)に昔のフィルムが入っていた。好奇心に駆られたコピーライターの日下哲は、フィルムの再現を試みる。過去の映像が現代に蘇ったその時、日下の周りでは不穏な動きが…。1個のリールが結ぶ過去と現代。日本人が封じてきた忌まわしい出来事は、今もなお、人々の心の奥底に澱(おり)のように潜んでいた。

   2002年度の江戸川乱歩賞受賞作。長崎の原爆投下の生々しい描写から幕は開ける。すぐに舞台は現代へと変わり、日光の骨董市で主人公、日下哲が運命のリールに出会う場面が描かれている。突然の場面転換に少々戸惑いを覚えるが、全く異なる2つの場面がどのように重なっていくのかを読み解くことも、本書の楽しみ方の1つなのである。

   物語の序盤は、フライフィッシングの説明やコマーシャルの制作風景などの専門的な記述が多い。自身もフリーのコピーライターである著者の得意分野なのであろうが、知的好奇心を満たすには興味深い半面、ミステリーの流れとしてはやや遠回りな印象を受ける。しかし中盤にさしかかると、リールの売り主である女性、月森花と主人公や雑誌記者との会話がテンポよく進み、ストーリーが広がりを見せ始める。なかでも、雑誌記者が熱く語る現代政治への批判は、本書の中核をなす「反戦」メッセージとなっており、一読に値する。(冷水修子)

不明な小説 ★☆☆☆☆
フィルムの謎は提示されるが,事件が起こらない。
中盤230ページを読むとようやく殺人が起こる。
場面が頻繁に変わって書かれるが,”誰が”,”何を”
”どういう関係があるのか”というのがさっぱりわからない。
読者は読み進んでから,戻りに戻らなければならないだろう。
動機もはっきりしない。
手がかりも示されず,謎解きの小説ではない。
テーマは重厚だが,これはミステリーなのだろうか。
釣りと歴史に興味がある人にはよいのかもしれない。
門外漢にはあまりに冗長だが。
乱歩賞と構えて読むと失望する。
期待させておいて 肩透かし  ★★★☆☆
何の予備知識もなくこの本を読みました。のっけから今住んでいる仙台が出てきて、次に大好きなフライフィッシング、憧れのHARDY PERFECTリールが出てきて おやおやと思っていたら学生時代にバイトしていた日光中禅寺湖畔の風景と次々に自分と重なる部分に深くひきつけられました。しかしながら 不気味な謎解きの展開があって その原因が判ると一気にあっさりと不満足な結末を迎えて 幽霊の正体みたり枯れ尾花みたいな話でした。 主役の二人がディーン・クーンツの主人公の善人パターンで 悪役もなんだか悪モノぶりが物足りないし、フライフィッシングの薀蓄も物足りなかった。 全部中途半端。
視点が乱れすぎではないでしょうか? ★★☆☆☆
時系列もよくわかりませんでした。
これで乱歩賞なんでしょうか?
この作品の最大の悲劇は ★★☆☆☆
この作品の最大の悲劇は、乱歩賞に選ばれてしまった事。
読者の過酷な目により、過去の秀作と容赦の無い比較をされる。
とてもそれに耐えられる作品じゃないんですけどね。

ミステリーとしては中途半端。
作者は何を言いたいのか良く判らない。
読みやすい文章であることが唯一の救い。
乱歩賞受賞作としては並か並の下程度 ★★☆☆☆
第48回江戸川乱歩賞受賞作
2002年文春傑作ミステリーベスト10 3位。
2003年度版このミス10では上位60作品に入っていない。

骨董市で偶然手に入れたフライフィッシュ用のリールの中に古い16ミリフィルムをみつけたCMディレクター日下。すでにぼろぼろになったフィルムは再生困難であったが、一部復元したところ、どうやら湖畔でフライフィッシュをしている映像らしい。このフィルムを政党のPRフィルムに使用することになるが・・・・。

作品自体は文体が読みやすくすらすら読める。しかしながら、ページ数を限定された選考作品にたくさんのことを詰め込みすぎて、どれも踏み込みが浅くなってしまっているのが残念だ。作者は、ミステリーを通して「葬り去られた戦時中の犯罪」をえがこうとしているのだが、ミステリーの展開としては強引で、とくに動機に関しては、これほどの罪を犯すものとしては納得がいかなかった。

近年の「12YO」「脳男」「テロリストのパラソル」「十三階段」などと比べると、乱歩賞受賞作としては並か並の下程度の作品だと思う。