これなら会社が変わる!!
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「仕事の見える化」という著者の最新刊を読んでから本書を読んだのだが、本書は、現場の見える化や業務のビジュアル化の本ではなく、まさに経営革新の実務書である。可視化という切り口で、戦略や将来ビジョン、日々のマネジメントや社員の思考まで取り上げ、改革していく手法を具体的に解説している。特に参考になったのが、8章の可視化経営を実現する組織条件というところ。見える化とはビジュアル化ではなく、企業文化改革なのだと確信した。だから見える化が進むし、会社が変わる。目からウロコだ。著者は2000社のコンサル実績を持っており、その実体験に裏打ちされた説得力があるように感じた。会社を変えたいと思う人にはきっと参考になると思う。
見える化の役目からアクションリストまで
★★★★☆
会社という組織を効率てきに動かすために何が自分にできるかを見つめなおしたくて購入、通読。
読んでみると、「現場からの定性情報の吸い上げ」「ビジョンの共有」「個人の育成」を目標とした「可視化」を提案してくれている。おもしろかったのは、日報に段階を設けて、可視化することにより、透明性をキープして各個人の成長を促すというステップまでの実践を提案してくれているところだ。また顧客に対しての定性情報から、仮説を作成して定量データで検証するというサイクルは非常に有効だと思った。
会社に対してできることを考える人にとっては、日報、見える化を行うとい選択肢の価値を教えてくれている書籍になっていると思います。
これでないと勝ち残れないだろうな・・・
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さすがは、2000社の営業改革に携わり、仮説→検証をくりかえしてきた著者だ。
机上の空論が全く無い。だから使える。
現場の「見える化」についての章で、
可視化経営システムにより「クレームやトラブルについて想定外の情報をつかむことが出来る」とあった。
多くの日報システムや会社ではクレームを予め分類しており、現場ではどれに当てはまるかを考え、
該当がないものはクレームとしては存在しないことと同様になっている。
が、この「想定外」の情報が現場から上がってくるようにしておかなければならないという考え方に
この著者が本質を分かっていると理解できた。
最近次々と出てくる不祥事も予め用意された選択肢には入っていないだろう
(そのような選択肢があるはずがない)。
著者が実践・提案する「見える化」では、このような兆候やニュアンスを
管理職やトップが察して手を打つことができるようになっているという。
納得である。このように物事の本質を見られる著者の提言がギッシリなので
たいへん影響を与えてくれた。
パラダイムシフトが起きている激変時代は、こういう経営をしないと勝ち残れないだろう。
とても理解しやすい、会社強化の本である
理論だけでなく実践可能な「見える化」だ
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「見える化」とか「可視化」の類の書籍をいろいろ読んだが、
見せるためのデータの収集方法やそれを活かす組織のあり方まで言及したものはなかったように思う。
その点本書では、
具体的なITツールとそれを運用するための人的な課題まで踏み込んだ実践的「見える化」の進め方が論じられていた。
もう一点、この書籍の論点が「現状の見える化」でなく「未来の見える化」であることが新鮮。
とかく現状からの積み上げ戦術になりがちな「戦略マップ」でなく、
より長期で未来志向な「ビジョンマップ」という考え方はおおいに参考になった。
「見える化」がここまで来た
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本書に感銘を受け、著者のセミナーにも参加してきた。
頭書のとおり、「見える化」もここまで来たか!という所感。
(本書では「見える化」を進化させた「可視化経営」を説いている)
1.「見える化」の対象が経営全体にまで来た
「見える化」が話題になって以来、その対象はトヨタのカンバン方式に代表される
生産現場や、財務状態や在庫・社員の活動状況などの社内の状態であった。
本書はそれを超え、「顧客の可視化」「頭の中の可視化」を説く。
顧客こそが会社に利益をもたらすのであり、顧客不在の経営が成り立たないのは自明である。
社長室からは見えない営業現場(=顧客)の見える化が業績向上に鍵だ。
さらに、我々の仕事は手足を動かす肉体労働から、頭を使う・思考する仕事にシフトしてきた。
そこでは、仕事のアウトプットは労働時間ではなく、思考内容・思考プロセスによる。
難しい課題ではあるが、思考を可視化できてこそ、我々の新しい工場である「頭脳」をフル稼働させることができるのだ。
まさに経営改革。先行き不透明な21世紀を勝ち抜く新たな経営モデルである。
2.「見える化」の実現が手の届くところに来た
そして何より重要なのが、いかに実現するかということ。
ITの進歩と低価格化により、システム開発などの大規模な投資も不要で、
中小企業でも簡単に取り組めるようになった。
私も中小企業の経営者とお会いする機会が多いのだが、
意外なほど現場の実態が見えていなかったり、時代は変わったとわかっていながらも、
つい経験や勘に基づく経営や指導をされている方が非常に多い。
こうした先端の経営技術は一部大手企業のものだと毛嫌いせずに、ぜひ一度本書を読まれることをお薦めする。
あるべき論を語る経営書が多い中、良書に出会えたことに感謝する。