「津軽じょんがら節」
津軽三味線の隠れた名人がいたという物語です。
青年が津軽三味線に惹かれ、三味線弾きになってゆく過程が、瑞々しく
巧みな筆致で描かれている。
津軽三味線を志す人にとっては、共感できる部分も多いと思われる。
またボサマの三味線や、村の津軽三味線競演大会など、津軽三味線の
草創期における情景が、読者の胸に鮮明に熱く迫ってくる。
頁数が短いこともさることながら、熱を帯びた文体に引き込まれ、
厭きることなく最後まで一気に読み終えてしまうことでしょう。
津軽三味線の激しい音色が、全編に強烈に響いている。
津軽三味線奏者、必読のバイブル第一号は、これに決定だ!!
津軽民謡の名人「嘉瀬の桃」の人生を鮮烈に描き出した表題の秀作
『津軽世去れ節』の他五篇を収録したものである。