彼の活動を知ったのは、昨年から。
報告会で、とつとつと語る彼の語り口に、一口では言えない苦節の15年を感じ、また受け止めた。
自国のやり方を押し付ける外国援助団体の浅さ、他国援助団体からの圧力、武力で解決しようとする現地民との軋轢、言葉に尽くせない苦労があったろうと。
戦禍空爆下であくまで現地民流のやり方を尊重し、井戸を掘り続けるその活動に、私はどんな高尚な思想も太刀打ちできない「強固な生きる意志」を教えられた。
また彼の著書全体に通底する「文体」が素晴らしい。
一切の言葉遊びを許さない漢文調混じりの文体に、平成の武士の風格とさえも言える独特のスタイル。いやスタイルすらも超えている。生きる姿勢がおのずと文体に現れる。
にじみ出る文体は、嘘をつかない。
「辺境の現地」から透けて見えてくる現代日本についての考察もかなりである。
捨て身の行動と思考。
言語というものには限度がある。
そして「真実」は、いつも言語の外にある。
「真実」を見出だそうと思ったら、私もいつまでもこんな所にいてはならない。
哲さん、そろそろ報告会の季節ですね。
お会いしとうございます。
昨年は筑紫ペシャワール会もできましたね。
うちの息子を送りたいのですけれど、身体検査で落伍することはわかっております。せめて門前払いを食わぬほどには鍛えたいのですが。