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初等量子化学―その計算と理論

価格: ¥3,675
カテゴリ: 単行本
ブランド: 化学同人
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初等的な内容だが式変形等が詳しい ★★★★☆
 この本の特徴は、講義等で省略されてしまいがちな計算や式変形の過程を、できるだけ省略せずに掲載している点である。例えば、ラプラシアンのデカルト座標から極座標への変換や、分子軌道法で水素分子イオンを解くときに出てくる各積分の楕円体座標を用いた計算、行列の固有値問題等の計算過程等々、量子化学の講義を受けていて疑問を持ちそうな計算や式変形等がわかりやすく書かれている。
 当然、「初等」とあることや、260ページ程の本なので、内容としては簡単なヒュッケル法止まりであるが(第二版では、最後の第10章をHartree-Fock法に当てている)、量子化学を勉強しようと思い立ったときに、まず最初に読んでみるには、非常に良い本である。
 この本を読んで、(初等的な部分ではあるが)量子化学での数学的取り扱いに慣れた後、標準的な内容の本、例えば、「三訂版 量子化学入門(上)・(下)」(米沢ら、化学同人)等に進めば良いでしょう。
 残念なのは、この本は第二版となって、若干説明の部分を増やしたため、特徴であった詳しい計算・式変形の部分が少し削られてしまったことである。しかし、削られた部分はそんなに多いわけではないので、第二版でも、他の同様な本に比べて、計算や式変形が詳しいことには変わりない。