Brilliant Trees
★★★★★
"Red Guitar"
"Backwaters"
傑作・・・是非聴いてみて!
★★★★★
ある程度予測がついていた、シルヴィアンのソロアルバムの方向性や内容だったが、ここまでのサウンドの充実度を想像していた、ファンは当時それほどいなかっただろう。元ジャパンのメンバーや坂本教授だけでなく、スティーブ・ナイの共同プロデュースで、しかもジョン・ハッセル、ホルガー・シューカイまで参加とあっては、狂喜乱舞とまではいかなくても、中身の方はファンならずとも興味津々のはずだ。本作では、シルヴィアンの等身大の自然な歌が聴こえて来る。また、プロデューサーのスティーブ・ナイの、とても穏やかで飾り気はないが、非常に映像的でやや湿り気のあるサウンド処理が秀逸で、本作を後期ジャパンとは違った個性の、名作に仕立てている。
ほんのちょっぴりの未熟さを感じる作品であり、そこが魅力
★★★★★
84年発表の1st。元JAPANはもはや不要だろうが、このソロ・デビュー作では後期JAPANと高橋ユキヒロの『ニウ・ロマンティック』当たりに通じるサウンドをまだ残している。この人のサウンドは繊細で、民族音楽の骨肉化とジャズとは一味違った独特の浮遊感とアート的なポップ感を持ち合わせた独特のもので、他では得難い魅力があるが、この作品ではまだポピュラー・ミュージック的なメロディを持ち合わせたシングル4.のような曲も含まれている。坂本龍一の抽象的なピアノ・ソロを含めて一般的なポピュラー・ミュージックの範疇ではあくまでも前衛的な部類だろうが、なかなか甘美な感覚を持った曲である。このような曲が含まれている点と後の彼の作品を考えると、この作品はまだ完成度という意味では後の作品にはかなわないが、このポピュラー的な要素は以降では全く見られなくなるだけに貴重であり、そこがこのアルバムの魅力ということになるだろう。彼の作品は、他の作品も含めてそアート性と聞きやすさを両立した完璧と言えるものがほとんどだが、このアルバムは若干の隙があってその点がかえって親しみやすい。私が行った彼のライヴでは、このアルバムからの曲が演奏されることは無かったが、それだけに意味がある作品と言えるのではないだろうか。
シルビアンの理想とする音世界が既に確立
★★★★★
ジャパン解散後のシルビアンのソロデビュー作。ジャパンの「ブリキの太鼓」でのプロフェット5を多用した打ち込みサウンドの延長線の音であるが、随所にアコースティックギターや弦楽器の音が効果的に盛り込まれ、非常にアーティスティックでありながらポップで聴きやすい傑作となっている。後のシルビアンがソロで展開していく音楽性がほぼ本作で提示されており、80年代中期の打ち込みを導入したサウンドとしては今聴いても全く古びていないのが驚異的。
良くも悪くも、聴衆が待ち望んでいた作品。
★★★★★
ジャパン解散から約1年後…。当時ファンならば、誰しもが待ちわびた1枚。
ジャパン解散間際には、それまで酷評していた評論家も、同業者までも、
こぞって彼らを持ち上げ、惜しまれた中での解散でした。
その余韻を引きずった中で、グループの中心人物であった彼のソロ・アルバム1作目
と言うことも有り、内容もさることながら、セールス的にも成功した作品でした。
まだ、ロックのテイストを残した1.4.ジャズに接近した2.以降のアルバムの作風を
予感させる、インストメンタル基調の3.5.6.7。
全体的にバランスがとれ、聞きやすい1枚ではあります。
ですが、このアルバム以降、シルヴィアン自身”修行””自己修練”に向かってしまい、
このアルバムに残っていた”バランス感覚”は影を潜めて生きます…。
(邦題:遥かなる大地へ、はまだいいかも…)
ファンならずとも、これ以降は「聞いていてツライ」と思える作品(華が無い)
が多くなっていきます。
中には、今現在に至るまでのデヴィッド・シルヴィアンを見ていて、
いつの日か、ブリリアント・トゥリーズ的、ロック〜ポップ・ミュージック感覚で
曲を作ってくれるのでは…、と、思っている方も居るのではないでしょうか?…。