そして、腐敗しきった政治家の裏やゴルトの生い立ちなどで話をどんどん盛り上げていくコーンウェルは、息をつく閑を与えてくれない。読んでいて、居ても立ってもいられなくなる理由は、殺人をするために生まれてきたような犯人の魔の手が、ケイの姪であるルーシーやケイ自身にまで及んでくるからだろう。
ニューヨークの地理が詳細に描かれているため、作者が実際に足で調べたことを想像させる。しかし、なぜかゴルトを思い浮かべる時、スティングの風貌が合わさってしまうが、これは作者の意図なのだろうか。